秋冬キャンプの暖房に薪ストーブが最強だと多くのベテランキャンパーさん達がおっしゃっていますよね。
しかし、キャンプで使う薪ストーブについて検索してみると、デメリット的なレビューも多かったりします。
例えば、「火がすぐに消えちゃう」とか「煙が逆流してくる」「薪代がかかる」などなど・・・。
そんな意見を先に見ちゃっていたので、僕は薪ストーブの導入に否定的だったんです。
みんなで行ったコテージ泊で、ウッドデッキに備えてあった薪ストーブに点火することができなかったことがあって、それもちょっとトラウマになっていたんです。
しかしここに来て薪ストーブを使う機会がやってきました。
今回、使用したのはUlkona(ウルコナ)といいうメーカーの薪ストーブ。
コンパクトサイズの薪ストーブで、1人でキャンプに持っていくのにピッタリ!
もちろんテントの中で使うことは、メーカー的には推奨していません。
自己責任になるのですが、今回はUlkonaの薪ストーブを使ってきたのでレビューしたいと思います。
目次
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブをレビュー
Ulkonaの薪ストーブの特徴
①コンパクトサイズ
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブは、コンパクトサイズ。
収納時のサイズは、230×313×427cm、煙突のパーツなどを炉内に収納することができるようになっています。
使用時は内側に折りたたまれた脚部を立てた分の高さが本体に追加されて、そして煙突の高さの分さらに高くなります。
本体の高さは、幅25×奥行35×高さ21cmに脚部15cmが足される感じです。
煙突の長さは約180m、煙突まで組み立てた時には、高さが218cmになるようです。
ちなみに実際に脚部を広げてみると、脚部には固定金具がないので、完全に開ききっても少し力を加えるとすぐに内側に折れてしまいます。
脚部を広げた状態で少し移動させた時、脚部が地面に触れていると脚部が内側に折れてバランスを崩してしまいす。
この部分はちゃんとロックできる機能があれば良いなと、キャンプ中に何度か思いました。
商品ページには炉には縦35cmの薪が入ると記載がありますが、ここのところが僕的にちょっと心配です。
キャンプ場で売っている薪の長さは場所によって差が多少あると思います。
それらが簡単に入るのなら薪ストーブの活躍の場は多くなりそうですが、自分で薪を切ったり別途サイズが合う薪を手配したりするとなると、ちょっと手間が増えて面倒ですよね。
ちょっと心配し過ぎなのかも知れませんが、薪のサイズは事前にチェックしておいたほうがいいと思います。
そんな35cmの薪が入るUlkona(ウルコナ)の薪ストーブは、重量が9.4kgあります。
コンパクトサイズと思ってなめていると、結構重たくてびっくりしちゃいます。
Ulkonaで販売しているトートバッグにちょうど薪ストーブが収まるようですが、それがない僕はちょっと持ち運ぶのに苦労しそうです。
②炉内が見えるガラス窓
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブには、前面と両サイドに耐熱ガラスの窓が配置されています。
このガラス窓から、薪が燃えている様子を見るとこができるんです。
夜の暗い中で、薪ストーブの窓から炎のゆらめきを見ることができたら、ホッコリと幸せな気分になりそうですよね。
ただ、これにも苦い経験が。。。
友人が購入した薪ストーブを初めて使ったとき、点火してすぐに窓がススで真っ黒になってしまって、中の様子が全く見えなかったと言う経験もあるんです。
これもまたトラウマで、薪ストーブを自分で使えるかどうかと不安要素の1つなんです。
とは言え、窓があると無いとでは大違いですよね。
③サイドの棚
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブには、本体左右に棚が配置されています。
この棚は、収納時は折り畳めるので、持ち運ぶ時に邪魔になるようなことはありませんでした。
広げてみると水平ではなく、本体側に傾斜がついていました。
この棚に、熱くなったダッチオーブンやスキレット等の調理器具、またはケトルなどを置くことができるようになっています。
内側に向かって傾斜があることで、調理器具が地面に滑り落ちてしまうことも防げると思います。
④直火調理ができる
本体上部には、直火調理できる場所があります。
この部分は円形の蓋がされていて、少し回すことでロックできるようになっています。
フタを外すことで、フライパンなどを使って直火調理することができるようになっています。
直火による調理器具のスス汚れ、または匂いや煙など、僕的には心配な面もあります。
テント内で使用する場合は、その点注意が必要かもしれません。
④ダンパー付き煙突
炉内に収納されている煙突部分のパーツ(パイプ)には、他のパーツと形状が違う物が2本ありました。
煙突のパーツは全部で7本。
通常のパイプ部分のパーツはほぼ円柱形のもので、接続部が少し膨らんでいます。
形状が違うパーツの1つは、煙突の最上部に位置するもの。
ポツポツと穴が開いていて、そこから排気ができるようになっています。
もう一つは、ダンパーが付いたパイプです。
ダンパーは、外のネジのような部品を回転させることで、内側にある平らなプレートが回転するようになっています。
パイプの内側を大きく塞いだりすることで、空気の量を調整するために使うようです。
これにより、炉内の温度や燃焼時間を調整することができるようになっています。
初めて薪ストーブを使うと、使用中にダンパーが閉じているか開いているかわからなくなることがあります。
僕も途中で分からなくなってしまったので、ダンパーの外側のツマミが横なら開いているとか、縦なら閉じているとかを覚えておいた方がいいと思います。
ちなみにダンパーは本体の真上、一番はじめに取り付けるようです。
組み立て
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブ、実際に使ってみようとまずは組み立ててみます。
組み立てと言っても、炉内に収納されている煙突のパーツと灰かき棒を取り出し、本体の脚部と棚を広げて、煙突パーツを接続するだけ。
脚部を広げるのは、本体を持ち上げたり、横に倒してする必要があるのでちょっと手こずるかも知れません。
しっかりと広げてないと、本体の重量によってすぐに脚が閉じてしまうことが難点です。
棚も固定されてはいませんが、こちらはただ開くだけ、特に何もしなくても大丈夫。
らくらく準備することができちゃいました。
煙突は、ダンパー部分がちょっとキツめな感じでしたが、他は比較的簡単に接続することができました。
逆に、こんなに簡単に接続できちゃうのかと心配にもなっちゃう感じです。
組立時に接続部が緩くても、薪ストーブを使ったら、その熱でパイプが膨張するみたいです。
それにより、分解する時にパイプ同士が外れ難いということもあるようです。
薪ストーブを使っている方のブログを読ませていただくと、接続部分に「焼き付き防止耐熱潤滑剤」が必要と書かれています。
「焼き付き防止耐熱潤滑剤」は、禁則同士の接合部に塗るグリースのようなもの。
これさえ塗っておけば、パイプ同士を取り外すのが簡単になるようです。
ただ・・・値段が高い。
金欠の僕が、グリースに1,000円以上のお金を払うのは、ちょっと抵抗があります。
ということで、今回は様子見ということで、何も塗らずに組み立てました。
それでもキャンプ場で取り外せなくなってしまったら困るので、家にあった「クレ5-56」を持ってきました(笑)
最後に炉内に薪置きプレートを置いたら完成です。
この上に薪を置いて燃やすことになります。燃えたあとの灰が下に落ちる仕組みになっているようです。
キャンプ場の薪は入るの?
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブを使うに当たって、薪はキャンプ場で販売されているものを使うつもりです。
ネットショップで短く切られた薪が売られていますが、ちょっと値段が高いので、できれば現地で調達できた方がいいと思ったんです。
今回訪れたのは、静岡県富士市の富士山の麓にある朝霧ジャンボリーオートキャンプ場。
受付棟で薪を3束購入しておきました。
長さを測ってみると、3束中1束は約35〜36cmぐらい、残りの2束は約41cmの長さでした。
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場で販売されている薪の長さを全てを調べたのではないのですが、今回購入した中では2種類の長さがありました。
短い薪は約35〜36cmぐらいなので炉内に入る可能性は大いにありますが、残りの2束の約41cmは炉内に入りそうにありません。
実際に薪を炉に入れてみると、約35〜36cmの薪はちょっと余裕を持って入れることができました。
とりあえずそのまま点火し短い薪を使い始めます。
短い薪を使っている間は、火のつきもよくしっかりと燃焼できていました。
短い薪を使い終わった後に、今度は長い薪を追加で入れてみました。
すると、予想通り炉内に入り切りません。
炉内は奥行きだけではなく高さもあるので、それを利用して斜めに薪を入れてもほとんどがダメでした。
扉が閉まらないんです。
長い薪の中でも細いものなら、なんとか入るものもありましたが、それでも炉内に入っても1本づつ。
あっという間に燃えて、追加で薪を入れての繰り返し。
しまいには、燃えきったことに気が付かず消えてしまい、新しい薪を入れると白い煙がテント内に充満するということになってしまいました。
キャンプ場によって薪の長さはマチマチ。
コンパクトな薪ストーブを使うのなら、薪の長さをチェックする必要があります。
また、キャンプ場で薪を調達するのなら、長さを調節できるようにノコギリを常備しておくと良いと思います。
僕もノコギリを持っていたのですが、これが全く切れず諦めてしまいました。
白い煙
薪に点火し始めは、白い煙がでます。
それは仕方ないことなのですが、Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブでは、本体上部の直火用の穴のフタとの隙間から白い煙がでてきてしまいました。
よく見ると、フタと本体の間にほんの少しの隙間があるんです。
そこから煙が漏れてきていました。
しかしこれはフタの位置を少しズラしてあげることで、隙間を埋めて煙が漏れることを防ぐことができます。
他の薪ストーブはどうなのか分かりませんが、初めてなのでちょっと焦ってしまいました。
薪が1本しか入らなかったことで炉内の温度が上がらず煙が逆流してくることもあり、テント内は煙と臭いが充満してしまうことが何度かありました(笑)
直火用の穴からの煙は量が多くないのですが、やっぱり同じようにに煙と臭いが充満しました。
白い煙がでると、ススもたくさん出るようです。
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブには、前面と両サイドに耐熱ガラスの窓が配置されているんですが、それがすぐに真っ黒になってしまいました。
もちろんそれでは炉内の様子を見ることはできません。
ガラス窓に付いたススは、油分を含んでいるらしく、乾拭きしただけでは落とすことができません。
クリーナーなどを持っていない僕は、この日はずっと炉内をみることができませんでした。
白い煙の原因
これらの元になる原因の1つに、薪の長さがやっぱりあると思います。
ちゃんと炉内に入る薪を用意していれば、火が消えたりすることも、炉内の温度が上がらず煙が逆流してくることも少なかったかも知れません。
薪ストーブの煙が逆流しないで正常に排出するためには、「ドラフト(上昇気流)」がしっかりと働いていなければなりません。
ドラフトが働くためには、炉内の温度を高くして煙突と炉の気圧に差を作ることです。
炉の高温になると気圧が高くなり、気圧が低い煙突に空気が流れる仕組みになっています。
その為、薪が1本しか入らなかったことで高温にならなく、また火が消えてしまうことを繰り返したので、ドラフトが働かなかったんではないかと思います。
なので今回は、Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブに原因があるのではなく、炉に入る薪を用意できなかったことが原因なんです。
ちゃんとした長さの薪を用意することができれば、しっかりと燃焼します。
たまにダンパーが勝手に回って閉まっていることもありましたが、Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブ自体はちゃんと使えていたと思います。
使用後
使用後の手入れは、比較的簡単だったと思います。
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブは、薪置きプレートの下に灰が溜まります。
それを付属の灰かき棒で手前にかき集めて捨てるだけ。
炉内の大きな段差もないので、スムーズに灰を集めることができます。
煙突の取り外しは、予想外にスムーズにできました。
上に引っ張り上げるだけで、簡単に取り外すことができました。
ただ、本体の真上に取り付けてあるダンパー部分だけは、キツキツで引っ張り上げても取れませんでした。
そこで今回持ってきたクレ5-56を、内側から吹き付けてみました。
内側から接合部に吹き付けるのには、上部からやる他ありません。
外から吹き付けると勢いよく噴出して本体に飛び散ってしまうし、そもそも接合部にしっかりと入らないんです。
接合部にちゃんとクレ5-56を吹きつけるのなら、上部から内側に吹き付けるのが良いと思います。
クレ5-56を吹き付けると、すぐにダンパー部を取り外すことができました。
あとは、炉内の灰を綺麗に拭き取ったりすることはできないので、そのまま煙突のパーツを収納しました。
次に使う時は、煙突のパーツは灰で汚れていると思うので、雑巾などを用意しておきたいと思います。
まとめ
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブをキャンプで使ってきました。
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブは、錆に強いステンレススチール製でコンパクトなのが特徴。
収納時は煙突パーツを収納することができ、また脚部や棚を折りたたんで持ち運べます。
組み立ても簡単。
自己責任でテント内へ設置しましたが、場所も大きく取ることもなく良かったと思います。
コンパクトがゆえ、使える薪の長さに上限があります。
今回キャンプした朝霧ジャンボリーオートキャンプ場で販売されている薪では、入る長さと入らない長さがありました。
キャンプ場で調達した薪がそのまま使えると、薪ストーブのハードルも下がると思いやってみたのですが、今回はちょっと大変でした。
薪が入らないと、炉の温度が上がらず、色々と問題が出てきちゃいます。
もちろん、炉に入る長さの薪を用意することができれば、燃焼効率もよく温まります。
Ulkona(ウルコナ)の薪ストーブ自体は、とても使いやすいと思いましたが、それに使う薪の重要性を認識することができました。
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