冷え込む秋冬キャンプでは、寒さ対策や冷え対策にホント悩まされますよね。
テントを冬仕様にしたり、厚着をしたり。
カイロや湯たんぽを使ったり、マットや寝具を断熱性の高い冬仕様に変えたり重ねたりするのも効果的です。
しかしどんなに工夫をしても、やっぱり燃焼系の暖房器を使うのが結局一番手っ取り早いんですよね。
でもこの炭や石油を使用する燃焼系暖房器具を締め切ったテントのような密室で使用すると、一酸化炭素中毒を起こしてしまうので注意が必要です。
基本的には、ほとんどのアウトドアメーカーでは一酸化炭素中毒や火事を防ぐ為に、テント内での火器の使用は禁じられています。
しかし、冬キャンプをする上で、燃焼系暖房器具を使った寒さ対策は必須。
それがなければ寒い冬キャンプは過ごせないので、キャンパーさんの中には「自己責任で」使用している人も多いと思います。
「使っている人がいるなら大丈夫でしょ」と安易に考えてしまう人もいるかもしれませんが、この一酸化炭素中毒はめちゃくちゃ怖い事故で、最悪の場合死に至ることもあるんです。
もし「自己責任で」テント内での火器の使用を考えているのなら、是非一度一酸化炭素中毒について学び、一酸化炭素警報器の導入を考えてみて下さい。
今回は一酸化炭素中毒の危険性と一酸化炭素警報器(一酸化炭素チェッカー)の選び方を紹介します。
こちらの記事は「あっちゃんの時々ソロキャン」で2022.2.10に公開した記事を引っ越しして一部修正したものです。
冬キャンプは一酸化炭素警報器で安全管理!!
冬キャンプの大敵 一酸化炭素中毒とは?なぜ起こる?
炭や石油ストーブなどの燃焼系の暖房器具は、室内の酸素を使って燃焼します。
燃焼した時に発生する排気ガスは、換気をしなければ空気の汚染の原因となってしまい、室内の酸素濃度はどんどん低下していきます。
この酸素が足りない状態で、炭や石油ストーブが不完全燃焼を起こすと「一酸化炭素」が発生します。
血液中のヘモグロビンは酸素と結びつくことで体中に酸素を届ける役割をしていますが、一酸化炭素は酸素の200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っているんです。
ヘモグロビンは一酸化炭素があると酸素と結びつくことができず、身体は酸素不足に陥ってしまいます。
この体の低酸素状態のことを、一酸化炭素中毒と呼びます。
火災や練炭による自殺でよく一酸化炭素中毒という言葉を聞きますが、炭や石油ストーブの不完全燃焼でも多く発生するんです。
一酸化炭素は無色無臭で気付きにくい為、換気がなく閉め切った環境下での石油ストーブの使用や木炭や練炭などの炭の使用は特に注意が必要です。
ガスの不完全燃焼でも発生することもあったり、大雪での車の立ち往生で発生することもあります。
災害時の発電機の排ガスで発生した事例もあるそうです。
キャンプでは暖房器具だけでなく燃料系ランタンでも起こすことがあるので、特に気を付けたい事故でもあります。
気になる一酸化炭素中毒の症状
一酸化炭素中毒は、一酸化炭素の濃度とそれにさらされた時間によって症状が重くなっていきます。
初期症状だったり軽度であれば、頭痛や吐き気、視力障害やめまいが主な症状となります。
これが重度になってくると、意識障害やけいれん、呼吸停止や心停止を起こしてしまうことになるんです。
更に怖いのが一酸化炭素中毒は数週間経ってから、時間差でも症状が現れるところ。
例え命は助かっても、後遺症を残してしまうこともあるのでくれぐれも気を付けて下さい。
治療法はできるだけ早く体に不足した酸素投与を行うのがポイント。
そうは言っても、万が一ソロキャンプで一酸化炭素中毒になってしまったら、誰にも気づかれないまま悪化してしまうこともありえるし、ファミリーキャンプも同様のことが言えると思います。
気付いた人がすぐに連絡しても、自然の中のキャンプ場では救急車が遅く手遅れになんてこともありえます。
身体の小さな子供なら、あっという間に重症化してしまうかも知れません。
このように、一酸化炭素中毒はキャンパーにとって、とても身近で怖い事故なんです。
一酸化炭素中毒を防ぐには
一酸化炭素中毒を防ぐには、こまめな換気が一番です。
スカートなしのテントを選ぶ、上部のベンチレーションを開放して換気ができる環境を整えましょう。
もしも発生してしまった場合でも、すぐに換気して暖房器具を停止すること。
気分が悪くなったら新鮮な空気が吸える場所に避難をして、身体を温めてください。
そして少しでもおかしいと思ったら、すぐに受診しましょう。
意識を失うレベルの重症者が出た場合は命の危険があります。迷わず救急車を呼んでください。
アウトドアメーカーの指示に従い、そもそも燃焼系の暖房器具や燃料系のランタンなどを締め切ったテントの中で使用しないのが一番安全です。
使用する時はこまめな換気を行いつつ、自己責任で安全に気を付けることを心がけて下さい。
また、万が一の事故防止の為に、テントの中には一酸化炭素警報器を準備するのが推奨です。
便利な一酸化炭素警報器とは
一酸化炭素警報器とは、空気中の一酸化炭素が一定量を超えると事前に知らせてくれる便利なアイテムです。
テントの中で燃焼系の暖房器具を使用する場合に用意しておくと安心です。
最近人気の車中泊でも、一酸化炭素警報器を用意しておくのがおすすめ。
雪の中の車中泊の場合、車の排気口が雪で埋まって知らない間に一酸化炭素中毒になってしまうこともありえるんです。
一酸化炭素警報器の選び方 5つのポイント
①おすすめなのは日本製
一酸化炭素警報器は、1つしかない命を守るアイテムなので、多少値段が高くても精密機器の精度が高い日本製の製品をと考える人は多いようです。
一酸化炭素だけでなく、煙センサーを搭載していたり、住宅用防災警報器検定や一般財団法人日本ガス機器検査協会検査といった信頼性の高い審査に合格しているものもあります。
でも、海外製でも内部のセンサーが日本製のものもあります。
②特に海外製なら2個以上準備する
とはいえ、1万円以上の製品を買うのはちょっと・・・と迷ってしまう人もいると思います。
信頼性と耐久性が心配な海外製の場合は、2個以上準備すると良いと思います。
安価な製品には同じものを2つ以上買っても、警報器の動作タイミングや感度に違いが出てしまうことがあるようです。
現地での故障や電池切れの心配も和らげることができるし、1つでは疑わしい動作でも2つ以上あれば信頼性もアップすると思います。
③動作保証・環境・電池切れを事前にチェック
海外製の一酸化炭素警報器の場合、日本の気候に対応していなくて動作に異常が起こることがあります。
説明書の動作保証は必ずチェックしておきましょう。
そして、購入したらちゃんと作動するかチェックしておいて下さい。
キャンプ前も同様で、電池切れしていないかもチェックが必要です。
現地に到着してから破損や電池切れに気づいては、一酸化炭素警報器を準備する意味がありません。
一酸化炭素警報器は経年で内臓センサーが作動しにくくなるので、古くなったら買い替えが必要になってきます。
メーカーによっては、使用年数が定められている商品もあります。
④検知する空気中一酸化炭素濃度をチェック
あまりに感度が良すぎても、アラームが気になって落ち着かないこともありそうだし、検知しすぎないのも心配ですよね。
一酸化炭素中毒の被害が出やすいのは、空気中の一酸化炭素濃度が200ppmから。
主に2~3時間内に軽い頭痛が発生すると言われています。
持病持ちだったり小さなお子さんの場合は100ppmからでも症状が出てしまうことがあるので、一酸化炭素警報器は最低でも100ppmから検知できる製品がおすすめです。
⑤吊り下げられるものがおすすめ
出典:楽天
比重が軽い一酸化炭素は、上から充満してきます。
なので一酸化炭素警報器は頭の上、天井近くに設置するのが鉄則。
家庭用の一酸化炭素警報器ではフックがない、取り付けられない、サイズが大きいなどの理由で吊り下げられないこともあるので、できるだけテントで使いやすい製品を選ぶようにしましょう。
ポイント
①日本製がおすすめ
②海外製の安価な製品は2個以上持っておくと安心
③動作するか電池切れしていないかを事前にチェック
④検知する空気中一酸化炭素濃度をチェック
⑤吊り下げ出来ると便利
キャンプで使う一酸化炭素警報器のおすすめ商品
Cam.G Mini ポータブル式一酸化炭素警報器
出典:楽天
Cam.G Miniの一酸化炭素警報器は、1時間30分のフル充電で約48時間稼働可能なポータブル式一酸化炭素警報器です。
室内の一酸化炭素濃度だけでなく温度と湿度のチェックもできます。
さらに、同梱されているUSB-Cタイプのケーブルで充電しながらの使用も可能です。
サイズは65×92×29mm、重さは50gと小型のものに比べるとやや大きめです。
開発・製造国は韓国となっていますが、一酸化炭素センサーは安心の日本製。
電源を付けるだけで半径5~10m以内の一酸化炭素を感知します。
一酸化炭素濃度を数値化するだけでなく、危険な状態になったら警報でお知らせしてくれます。
警報が鳴るタイミングは50ppmから100、250、300、500ppm。
長時間一酸化炭素を吸入してしまわないように、それぞれ警報が鳴る時間が異なります。
専用アプリでスマホをペアリングすることで、本体を操作・確認しなくてもリアルタイムでモニタリングすることもできます。
充電ケーブルと吊り下げ用のカラビナ、専用ポーチが付属します。
Cam.G Miniの一酸化炭素警報器 スペック
仕様
サイズ:65×92×29mm
重量:50g
DOD 一酸化炭素チェッカー2
出典:Yahoo!ショッピング
雪中車中泊やキャンプのテント内での燃焼系暖房の使用時に頼りになる、アウトドア用一酸化炭素警報器です。
家庭用一酸化炭素チェッカーは、なるべくテントの天井部で吊り下げたいのにできなかったり、大きすぎてしまったり、サイズが大きすぎる、警報がすぐに鳴って落ち着かないなどの不満点を挙げる人が多くいました。
DODの一酸化炭素チェッカー2は、46×72×15mmの手のひらに収まる小型サイズで、重量も約50gしかありません。
小型ボディの中には高感度の日本製センサーが採用されているため、信頼性も抜群です。
また、キャンプ中に計測した一酸化炭素濃度の最高値が記録・表示できるようになっています。
電池を抜く、電源を切ることで計測記録がリセットされます。
CR2032のボタン電池を2個使用し、電池交換や約1年に1回という省エネ仕様なのもおすすめポイントです。
テントやタープに引っ掛けやすいボールチェーンを標準装備し、アウトドアでの仕様を考慮して落下や振動、衝撃に強いセンサーを使用しています。
DOD 一酸化炭素チェッカー2 スペック
仕様
サイズ:(約)W46×H72×D15mm
重量:(付属品含む) (約)50g
素材:材質 プラスチック、アルミニウム
電源:CR2032×2個
原産国:中国(センサーは日本製)
ビームテック一酸化炭素チェッカー BCG1-559S
出典:Yahoo!ショッピング
ビームテックの一酸化炭素警報器は中国製の製品ですが、内部の一酸化炭素を検知するセンサーは日本国内の株式会社ネモト・センサエンジニアリングの電気が格式のセンサーを使用しています。
測定範囲は0~999ppmまで。
基準値を超えた一酸化炭素を5分以上検知し続けると200ppmからライトが点滅、300ppmからはアラームが作動する設定になっています。
一酸化炭素の濃度レベルと本体の電池残量は表面のLCDディスプレイで確認することができます。
サイズは46×72×15mmとかなり小型。重さは約50g。持ち運びが楽な手のひらサイズです。
テントの中で吊り下げやすいようにボールチェーンが付属していて、衝撃に強い耐久カバー付きです。
省エネ使用でCR2032ボタン電池2個で約1年作動します。
ビームテック一酸化炭素チェッカー BCG1-559S スペック
仕様
サイズ:(約)W46×H72×D15mm
重量(付属品含む):(約)50g
材質:プラスチック、アルミニウム
電源:CR2032×2個
Carbon Monoxide Detector
出典:楽天
Carbon Monoxide Detectorは、家庭、車内、キャンプのテント内とどこでも使える一酸化炭素警報器です。
動作安定感に優れ信頼性が高い電気化学式センサー搭載で、一酸化炭素濃度が一定以上、一定時間経過すると警報音とランプが点滅して知らせてくれます。
単三電池3本で3年に1回の電池交換でOKな省エネ仕様。電池が少なくなるとモニターで知らせてくれます。
モニターは見やすい液晶大型表示で誰でもわかりやすいのが嬉しいですね。
サイズは100×100×27mm。重量は約150g。日本語の説明書が付属しています。
価格もリーズナブルなので、複数個揃えるとより信頼性がアップします。
Carbon Monoxide Detector スペック
仕様
サイズ:約100mm ×100mm ×27mm
重量:約150g(※単4電池は含まれません)
まとめ
寒い冬キャンプのテントの中で頼りになる燃焼系暖房器具を使用する時は、一酸化炭素中毒に注意しましょう。
一般的にアウトドアメーカーでは、気密性の高いテントの中での石油ストーブや木炭・練炭などの炭の使用、ガスストーブや燃料系ランタンなどの使用は禁止しています。
使用する場合はあくまでも自己責任で、こまめな換気を行いながら安全に使用してください。
一酸化炭素中毒を防ぐには、寒いかも知れませんがスカートのないテントを選ぶ、こまめな換気を行うとともに、一酸化炭素チェッカーを使用するのがおすすめです。
一酸化炭素チェッカーは大切な命を守るアイテムなので、多少高価でも信頼性の高い日本製のものがおすすめですが、安価な海外製のものもあります。
海外製の製品は同じ製品でも個体差があって、感度に差があったり、同じタイミングで感知しないこともあります。
そもそも日本の環境にあっていない、現地で壊れていたなんて耐久性の心配もあります。
海外製の一酸化炭素チェッカーを買う時は、複数個準備しておくと安心だと思います。
一酸化炭素中毒を防ぐには、そもそもテント内で燃焼系暖房器具を使用しないのが一番ですが、寒い冬の時期にはなかなか思うようにはいきませんよね。
降雪が心配な冬の車中泊でも、一酸化炭素チェッカーを持参して安全に冬キャンプを楽しみましょう。
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