キャンプが流行する中広がった、ソロキャンプ、キャンプ飯、無骨キャンプ・・・。
そのどのシチュエーションでも、よく目にするのが「鉄製クッカー」です。
鉄板、鉄鍋、鉄フライパン、スキレット、ダッチオーブンも人気ですよね。
鉄製品は、蓄熱性が高く熱伝導率も良い上に、とても丈夫です。
持ち運び、日常生活とは違う多少ハードな自然環境下で使うにはもってこいの素材とも言えるでしょう。
ただしそんな鉄製品にも弱点はあって、使用前にはシーズニングの手間がかかったり、使用後には定期的なお手入れをしないと錆びついてしまうので、ステンレスやアルミよりもちょっぴり手間がかかるんですよね。
鉄製品は「鉄製品を大切に使い続ける」という楽しみも含めてのアイテム。
世界にたった1つの相棒を育てていくなんて、なんだか楽しいと思いませんか。
それが面倒くさいと感じる人がいる一方で、ここに魅力を感じて、キャンプギア、クッカーに鉄製品を取り入れている人も多いでしょう。
そんな中、少し前の話になるのですが、とあるクッカーがキャンパーの間で話題になったんです。
それは、ユニフレームから登場した「ちびパン」。
その名の通り小さく可愛い、ソロサイズのフライパンです。
ファミリーキャンプでも、もう一品何か欲しい時やおつまみ作りなんかにも活躍できるくらいの、ちょうどいいサイズ感。
そんなちっちゃなサイズなので、重量が出やすい鉄製品でも、比較的気軽に使える軽量性も魅力の1つ。
しかも、調理後にフライパンのまま食卓にも出せてしまう可愛らしいデザインなので、キャンパーさんの間では大人気アイテムの仲間入りとなりました。
今回は、知り合いの初心者キャンパーさんに実際にちびパンを使ってもらい、そのレビューや感想を織り交ぜながら紹介します。
そこで見えてきたデメリットについても、解説していきます。
ユニフレームのちびパンのスペック
まずはじめに、ちびパンのスペックから紹介します。
ちびぱんのサイズは、約Φ16.3(鍋径)×深さ3.5cm。
使ってみると箱に書いてある通り、1人前の目玉焼きを焼くのにちょうどいいサイズです。
朝食なら、目玉焼きに付け合わせのベーコンやソーセージ、アスパラやポテト、インゲンなどをちょこっと炒めるくらいは余裕でできそう。
さらに、ちびパンの良いところはまだあって、いかにも「フライパンです!」ではなく、持ち手付きのおしゃれなお皿のようなデザインをしているところもおすすめポイントなんです。
鉄の黒さも無骨でかっこいいので、さっと作った簡単料理もオシャレに見えるはず。
出来上がったらそのまま食卓へ置くことができるため、別途お皿を準備する必要もなく、汚れ物を増やすこともありません。
本体は黒皮鉄板製で、厚みは1.6mm。
黒皮鉄板は、丈夫で衝撃や急激な温度変化にも強く、錆びにくいともされています。
きちんとメンテナンスさえ続けていれば、長く使い続けることができる素材です。
ハンドルはスチール製で、掴んでみた感じがたつきなどは全く感じませんでした。
なお、この製品は、黒皮皮膜の上にクリアラッカー塗装を施してあります。
電磁調理器での使用、IH・直火でも使用可能ですが、初回の使用の前には必ず直火でシーズニングを行ってください。
ちびパンのシーズニングをしてみよう!
箱から出したてのちびパンは、ピカピカとしていてとっても綺麗!
鏡みたいに顔や周囲の風景が映っていました。
鉄製のクッカーは使用前にカラ焼きをして、このテカテカピカピカの原因となっている錆防止ワックスを落とす必要があります。
手順は簡単なので、まずは試してみてもらいました。
①ちびパンをコンロの火にかける
ちびパンは、サイズが小さいので、上から覗いてフライパンの外周からはみ出ないくらいの中火にかけています。
すぐに温まり、ちびパンから煙が出てきたのですが、思っていたより早かったとのこと。
独特なにおいがするので、気になる人は換気扇の下や窓を開けて作業をすると良さそうです。
②煙がでなくなるまでカラ焼きする
家庭にあるガスコンロでシーズニングを行ったのですが、ガスコンロに標準装備されている揚げ物用の温度センサーが作動してしまうこともあるようです。
作業中に何度もコンロの火が弱くなってしまったとのこと。
しかし、温度センサーはコンロの設定で解除できるので、もし温度センサー付きのコンロを使うのなら、予め解除しておきましょう。
③煙がでなくなったら自然に冷めるのを待つ
ちびパンの表面は、当初ピカピカだったのですが、熱を加える事により、皮膜が剥がれて質感がマットになってきました。
そうなると、自分の姿が映りこまなくなります。
ちびパンの表面から煙が出てこなくなり、色味がブルーブラックになったところで作業終了です。
④ちびパンがある程度冷めたら油をしいて適当な野菜クズを炒める
次に、熱したちぴパンの表面温度が少し下がったくらいで、野菜クズを炒めます。
冷蔵庫の中に転がっている、しなびた野菜などを用意してください。
⑤何度か繰り返して最後に油を塗ったら終了
野菜クズを何度か炒めたら、全体に軽く油を塗って完了です。
うるっとしたつやがなくなり、質感が落ち着いてさらにマットになりました。
既に、使い込んで年期が入ったようにも見えます。
ちびパンを使ってみた!
今回は、キャンプではなく、おうちBBQで使用してもらいました。
メニューは初めてなので、簡単に「アヒージョ」です。
味付けは、塩胡椒とシーズニングを使用。
シーズニングは、スーパーの調味料コーナーに売っているS&B社のアヒージョの素です。
ちびパンから溢れ出さないように、シーズニングと塩胡椒で味付けをしたマッシュルームとエリンギ、イカ、ベビーホタテ、スライスしたひとかけら分のニンニクを敷き詰め、オリーブオイルを注ぎます。
シーズニングの分量では、オリーブオイルは大さじ4とありますが、多少多めでも大丈夫でした。
ローリエを入れれば、香りがさらに良くなると思います。
準備ができたら、炭を燃やしたバーベキューコンロに載せてみます。
今回使用しているBBQコンロは、キャプテンスタッグ NEWスパイヤー ツーウェイ バーベキューコンロ420。
3〜4人家族にお手頃サイズのBBQコンロです。
組み立てサイズは約幅42×奥行25cmなので、そこまで大きくはありません。
しかし、ちびパンを置いても、まだまだ余裕があるのが見てわかりますよね。
ステーキ肉やパン同時に置いても、調理が可能です。
ちびパンにはある程度の深さがあるので、オリーブオイルたっぷりのアヒージョでも油が溢れることもありませんでした。
汁気が多い料理や揚げ焼きでも、少量であれば余裕でできそうです。
具材から出た出汁がよく効いたオイルは、パンにつけたりしておつまみとしてじっくり堪能したようです。
ちびパンの気になるデメリットとその解決方法
①思ったより冷めやすい
②取手と本体が熱くなる
③蓋の必要性
④ケースの必要性
⑤人数分必要か?
①思ったより冷めやすい
ちびパンは、底が厚めで素材自体が蓄熱性が高いので温かさはある程度保たれますが、それでも小さいので風が強い日や寒い日は冷めやすいと思います。
アヒージョのように具材を食べた後オイルをパンにつけたいとか、おつまみをゆったり食べたい時は、冷えにくくする工夫も必要かもしれません。
ですが「ちびパン」はサイズが小さいので、料理が冷めたらまたBBQコンロの空きスペースにサッと戻せるというのもいいところ。
BBQコンロに空きさえあれば、再加熱も容易にできるこのサイズ感はかなり便利だと思います。
②取手と本体が熱くなる
出典:楽天
鉄製の本体、取手はステンレスなので、調理する時は相当熱くなります。
素手では絶対に持つことはできないので、鍋つかみや布巾は手元に必須です。
ちびパンには、周辺グッズとしてシリコンハンドルやレザー製のハンドルがあるので、それらを利用するのも良さそうです。
③蓋の必要性
出典:楽天
今回のアヒージョ作りでは、リッド(蓋)は用意しませんでした。
アルミホイルで代用してもらったのですが、この日はとても風が強くて、蓋がわりのアルミホイルがすぐに飛ばされてしました。
結論として、キャンプで使用することを考えると、リッド(蓋)はあった方が便利に使えそうです。
アヒージョだと加熱中に油が飛び跳ねるので、、リッド(蓋)があれば、油で周囲を汚してしまうことも防げます。
とは言え、作る料理次第なので、自身の献立を考えて必要・不必要の判断をしましょう。
リッド(蓋)もオプションであるので、同時購入しておくのがおすすめです。
④ケースの必要性
出典:楽天
ちびパンをキャンプに持っていくのなら、買った時の箱ではなく、専用ケースに入れて持ち運びたいですよね。
箱では味気ないし、かさばってしまいます。
キャンプの時、自宅で保管時など、管理・衛生面においても専用ケースがあった方が便利でしょう。
⑤人数分必要?
例えば朝食に目玉焼きとソーセージやベーコンなどの付け合わせを焼いて、ワンプレートとしてそのまま出すのであれば、ちびパンは人数分あった方が良いでしょう。
しかし、おつまみを作ったり、おかずを1品作る程度であればちびパンは1枚あれば十分です。
なので、ソロキャンプでの使用なら1つで十分。
ファミキャンでは、使い方次第で人数分か1つだけかと判断して購入しましょう。
ちなみに、今回作ってみらったアヒージョは、ちびパン1つに対し3人でちょうど良い量だったようです。
迷うことがあれば、まずは1枚使って試してみましょう。
ちびパン使用後のお手入れ
汚れたちびパンは、使用後はなるべく早く落とした方が良いとのこと。
ちびパンに残った料理をそのまま保管していると、それがサビの原因になってしまうからです。
汚れた鉄板に水を入れると、鉄は水の冷たさにより縮みますが鉄板の表面についた汚れは縮むことがありません。
水の冷たさで汚れと縮んだ鉄板に隙間ができ、ただ台所用洗剤でゴシゴシ洗うより汚れが落ちやすくなります。
ただし、熱した直後に水をかけると水蒸気の熱により火傷の危険性がありますので、作業時は気をつけてください。
スキレットなどは、急な温度差で割れてしまうことがあるので、ちびパンも急な温度変化をさせないようにしましょう。
そしてもちろん、持ち手も熱くなるので間違って素手で掴んだりしないように注意が必要です。
焦げつきがなければ、使用後のお手入れはちびパンに水を入れて沸騰させるくらいで、ゴシゴシこする必要はありません。
その後、少量の重曹を溶かして沸かしたお湯でちびパンをよく洗い、台所用洗剤とスポンジで洗い流し、コンロで火にかけて水気を完全に飛ばした後で少量のサラダ油をキッチンペーパーで薄く塗りました。
重曹水は焦げ落としにもよく効きます。
ちびパンで水を沸騰させるときに重曹を入れると、沸騰させるだけ、または軽く擦るだけで焦げがするりと落ちることがあります。
重曹がなければ、水道水と洗剤だけでも構いません。
まとめ
ユニフレームのちびパンは、キャンプだけでなく自宅で楽しむバーベキューでも大活躍できるとっても便利なアイテムです。
小ぶりなサイズで、BBQコンロの片隅にちょっこり乗せておくこともできます。
そうして一品出来上がってしまうのも大変魅力に感じます。
キャンプ初心者の方に使ってもらいましたが、シーズニング作業も使用後のメンテナンスも比較的簡単にできていました。
ただ、「どのくらいやるの?」という加減が、分からなかったようです。
でもそれも、使っていくうちに、見た目や体感で身についていくはずです。
始めの「面倒くさそう」というハードルを乗り越えてしまえば、後は難なく使えていくでしょう。
個人的には、コンパクトで深めのフライパンとして、さらに調理後にそのままテーブルに並べることができるので、ソロキャンプで活躍するのではと感じました。
そして、本格的な鉄板のフライパンなのに、1枚2,000円程度という安さも見逃せません。
スキレットのように重くはないので、キャンプに持っていく調理器具として、優秀ではないでしょうか。
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