地震に台風と何かと自然災害の多い日本では、防災用品としてアルミ製のブランケットはとても人気の高い製品です。
コンパクトに折りたためるのに風を通さず、非常時に体を包むと熱を逃さず温めてくれます。
これって実はキャンプにも非常に便利なアイテムで「アルミブランケット」「エマージェンシーシート(ブランケット)」と呼ばれる他にも「サバイバルブランケット」「レスキューシート」なんて名前でも呼ばれています。
最近では、100円ショップでも買うことができるようになっています。
何年も前のことなんですが、口コミを書いてエマージェンシーシートを貰うつもりだったので、騙されて悔しい思いをずっと引きずっています・・・。
なんてことはさておき、このアイテムの「めっちゃすごいヤツ」として話題になったのがGRABBER社の「オールウェザーブランケット」という製品で、2021年冬には雑誌やネット記事、SNSでも話題になったのでご存じの方も多いかもしれません。
最近ではだんだんを暖かくなってきて、上級者だけでなく初心者もキャンプを楽しみやすい季節になってきたのでちょっと季節外れの話題なんですが、でもまだ自然が多い場所や標高の高い場所は気温が低かったり天気が変わってしまうこともあるので、もしかしたらこのブランケットが役立つのではないでしょうか。
持参した防寒装備では足りなく寒い思いをしたり、風邪をひいてしまっては楽しいキャンプも台無しになってしまいますよね。
今回紹介するGRABBER社の「オールウェザーブランケット」は、普段のキャンプ装備に気軽にプラスワンできるアイテムでもあるんです。
オールウェザーブランケットの魅力と性能、代用できるアイテムを紹介します。
目次
- 1 GRABBER社のオールウェザーブランケットって何?
- 2 GRABBER社のオールウェザーブランケットのメリットとデメリット
- 3 GRABBER社のオールウェザーブランケットが買えない?
- 4 オールウェザーブランケットの代用できるエマージェンシーブランケットのおすすめ商品
- 5 まとめ
GRABBER社のオールウェザーブランケットって何?
出典:A&F
そもそもGRABBER社はオリジナル・SPACE エマージェンシーブランケットという製品を1964年の段階で既に開発しており、このブランケットは現在販売されている多くのエマージェンシーブランケットの原型にもなった存在なんです。
防災の備えとして、被災地や救急の現場で、サバイバル、救助にと軽量で薄いのに保温と防暑(断熱)効果の高いアルミシートは様々な場所で活用されています。
薄手で重ねることができるため、自宅のカーペットの下に敷くなどして断熱に使用しているご家庭もあるのではないでしょうか?
出典:A&F
そんな数々のシートの生みの親であるGRABBER社のオールウェザーブランケットとは、NASAが開発した多目的シートです。
サイズは152cm×213cm、重さは350gとかなり軽量。
他社製品に比べると、畳んだ時ちょっぴり嵩張る印象もありますが、それでも厚手のレジャーシートくらいしかないです。
プラスチックフィルム、アルミニウム、ポリエチレン繊維、プラスチックフィルムと全部で4つの素材を4層に重ねた丈夫で耐久性の高い繊維で作られています。
見た目はブルーシートやレジャーシートのようですが、保温性が高く風を通さないので寒い時は体に巻きつけてブランケットのように使えばいいし(アルミのピカピカした銀色の面を内側にしましょう。アルミの反射熱を利用して体の熱を反射させ内側を温めます)、高い断熱性と防水性を利用してグランドシートやインナーマットの下に敷くのもおすすめです。
出典:A&F
グランドシートのように四角にハトメがあるので、ソロ用くらいならタープとしても使うことができます。
汎用性が高く、エマージェンシーブランケットとしてだけではない使い道の幅広さから、キャンプにピクニックにハイキングに野外フェスにとGRABBER社のオールウェザーブランケットは大人気商品となったようです。
登山などにも実はおすすめで、遭難や怪我などで身動きが取れなくなってしまった時に目印として、銀色のアルミの面を頭からかぶって目立たせて救助を待つなんて使い道もあるようです。
GRABBER社のオールウェザーブランケットのメリットとデメリット
ではここまでで分かったオールウェザーブランケット(エマージェンシーシート)の、メリットとデメリットを整理してみたいと思います。
オールウェザーブランケットのメリット
①追加の防寒用アイテムになる
②断熱の効くレジャーシートになる
③汚れや水から守るアイテムになる
④タープとして兼用できる
⑤緊急時にシグナルミラーになり防災の備えにもなる
⑥耐久性がある
①追加の防寒用アイテムになる
キャンプ場のある自然の多い地域、例えば森林や山、高原などの標高の高い場所、海に近い場所などでは、風が強く吹いたり天気や気温差が発生・変化することがあります。
どんなに準備していても、運悪く寒い思いをしてしまうこともあるかもしれません。
そんな時はオールウェザーブランケットを体に巻きつけると、体温の低下を防ぐことができます。
②断熱の効くレジャーシートになる
キャンプやピクニック、ハイキングなどで冷えを感じる場所は、実は足元なんです。
地面からくる底冷えをシャットアウトすることで、テントの中をぐっと暖かくすることもできます。
オールウェザーブランケットは薄型で防水性も高いので、テントのグランドシートとして使用したり、インナーマットと重ねて使用するのもおすすめ。
普通のレジャーシートやブルーシート、アルミシートより暖かく感じるでしょう。
最近人気の車内泊でも便利です。
③汚れや水から守るアイテムになる
オールウェザーブランケットは、丈夫な繊維4層からなる耐久性の高さを持ちます。
また、オールウェザーブランケットの耐水性の高さを活かして、野外でキャンプギアの上にかぶせて雨を防止したり、地面に敷いて汚れを防止することもできます。
④タープとして兼用できる
先述しましたが、オールウェザーブランケットの4角にはハトメがついているので、これを利用すればソロサイズのタープとしても活用できます。
これが、オールウェザーブランケットの定番の使い方でもあるようです。
⑤緊急時にシグナルミラーになり防災の備えにもなる
もしもの時は、オールウェザーブランケットの銀色に光っている方を表にして被りましょう。
上空からでも太陽光に反射してピカピカ光っていれば、上空からでも遠方からでも発見してもらいやすくなります。
防災用として便利なので、キャンプで使わない時は非常用持ち出し袋に入れておくのもおすすめです。
⑥耐久性がある
何度も書いていますが、オールウェザーブランケットは耐久性が高いのが大きなメリットなんです。
普通のアルミ製ブランケットって引き裂きや摩耗に弱く、耐久面においては正直頼りになりません。
ですがオールウェザーブランケットはプラスチックフィルム、アルミニウム、ポリエチレン繊維、プラスチックフィルムの4層でできており他社製品より丈夫に作られています。
大事に使って数年持った、修理をしながら愛用しているユーザーもいるようです。
オールウェザーブランケットのデメリット
①結露する
②畳んだ時少々嵩張る
③エマージェンシーシートとしてだけで考えるには不十分かも
④熱に弱い
①結露する
オールウェザーブランケットは、通気性がなく透湿性もないため、使用法によっては結露が気になるというケースも発生するようです。
いくら寒いからといっても、シュラフに巻きつけるなどはやりすぎかも?
カビやすいものや湿ってしまった時お手入れのしにくいものの近くでは気をつけてください。
②畳んだ時少々嵩張る
オールウェザーブランケットを普通に畳んだ時のサイズは、縦横が約30×約20cmくらいになり、厚みもそれなりにあります。
耐久性が高くしっかりした作りの分、ペラペラのアルミシートやレジャーシートに比べるとどうしても嵩張ってしまうのは、キャンパーとしてはちょっぴり気になるところではありますよね。
専用のケースや紐などは付属しないので、バッグの中で綺麗に収納する工夫が必要かもしれません。
③エマージェンシーシートとしてだけで考えるには不十分かも
他社のエマージェンシーシートは体温の90%を反射して保温するものもあるようですが、オールウェザーブランケットは大体80%くらいだと言われています。
この数値だけで見ると、エマージェンシーブランケットとしてが目的なら、他社製品の方がおすすめです。
しかしオールウェザーブランケットには他社製品にはない汎用性の高さがあるので、お買い上げの際にはこの製品に何を求めるのかきちんと考えておくと良いでしょう。
④熱に弱い
オールウェザーブランケットは、表面にプラスチックを使用しています。
火の粉がつくだけで簡単にダメージを受けて穴が空いてしまうでしょう。
その為、焚き火の近くでは使用することができません。
焚き火の近くでは火の粉に強いブランケットを使用しましょう。
GRABBER社のオールウェザーブランケットが買えない?
そんなにいい商品なら試してみたい・・・でもちょっと待って!
GRABBER社のオールウェザーブランケットが大きな話題になったのは2021年の終わりくらいのこと。
今でこそアルミを使用したエマージェンシーシートは様々に名前を変え、様々なメーカーから販売されていますが、今も昔も一番人気、ネットで調べても一番多くヒットするのはGRABBER社のオールウェザーブランケットではないでしょうか。
それほどまでに人気と性能が高いオールウェザーブランケットなのですが、現在GRABBER社のオールウェザーブランケットは品切れか、もしくは元々の値段の倍以上の価格に高騰化しています。
国内ではA&Fやハイマウントが輸入販売を行なっていましたが、A&Fでは現在品切れ状態。
ハイマウントのものは安いショップでも約8,000円、10,000円くらいになる製品もあるほどです。
Grabber(グラバー) オールウエザーブランケット OD(オリーブドラブ) グランドシート
元々の製品とパッケージが違いますが、こちらはハイマウントが取り扱うオールウェザーブランケットで、製品性能はA&Fの製品と変わりません。
152×213cm、重量は300gです。
ですが、そもそもハイマウントの公式ショップでもオールウェザーブランケットは購入することができず「ハイマウント アウトドアブランケット」という名前の類似製品が出ています。
出典:楽天
いくら高性能ないい製品だとしても、元々4,000円くらいで購入できていた製品を倍以上の価格で買うのはちょっと抵抗がありませんか?
そこで次の項目では、GRABBER社のオールウェザーブランケットと代用できるエマージェンシーブランケットをいくつかご紹介したいと思います!
オールウェザーブランケットの代用できるエマージェンシーブランケットのおすすめ商品
ARCTURUS アウトドアブランケット
出典:楽天
ハイマウントで現在取り扱っているアウトドアブランケットはいくつかありますが、こちらのアークトゥルスのアウトドアブランケットは、オールウェザーブランケットの代用ができる製品です。
サイズは使用時で約150×210cmと程よい大きさ、収納時は約25×32cmとコンパクトに折り畳めます。
外側はナイロン製、内側はアルミニウム製です。
便利な収納ケース付きで、重さがケース収納時に約495g、ブランケット単品だと約452gに変化します。
すっぽり包まると、体から発せられる熱を反射し90%を閉じ込めるため、暖かく過ごすことができます。
内側のアルミニウム面が反射層を、外側のナイロンが耐水・防湿・耐久性を担うので、温まった内側の熱を外に逃しません。
4角にはハトメがあり、グランドシートやタープとしても活用できるのもいいところ。
耐久性を高めるため、両面に補強がしてあるので安心です。
15キロもの重さに耐えることができるので、頭上のシェルターとして使っても大丈夫そうです。
ARCTURUS アウトドアブランケット スペック
- サイズ・使用時:約幅150×長さ210cm
- サイズ・収納時:約25×32cm
- 重量・ケース収納時:約495g
- 重量・ブランケット単品:約452g
SOL(エスオーエル) ヘビーデューティエマージェンシーブランケット 12518
出典:楽天
SOLのヘビーデューティエマージェンシーブランケットでも代用ができます。
大きさが213×142cmの、ポリエチレン生地に高純度のアルミを蒸着加工したエマージェンシーシートです。
SOLの製品の中でも大きめのサイズとなっていて、広げた時に人1人が寝転んでも十分な広さがあります。
表面はアウトドアによく馴染むODグリーン色。
シートの厚さは 0.064mmとかなりの薄型なのですが、同社の通常のSOLエマージェンシーシートの2.5倍の厚みがあります。
他社製品に比べるとどうしても薄さは感じてしまいますが、少々力を入れた位では破れたりしませんので、この製品も多用途・多目的に活用できるでしょう。
SOL ヘビーデューティーエマージェンシーブランケット スペック
- サイズ:213×142cm
- 収納サイズ:17×20×3.5cm
- 重さ:約210g
Rothco サバイバルブランケット 9070 OD
出典:楽天
ミリタリーブランド「Rothco(ロスコ)」製のサバイバルブランケットです。
表面はキャンプにもよく馴染むオリーブドラブカラー、裏面は定番のアルミ製、シルバーカラーです。
サイズは213×132cm、重さは約55gしかありません。
薄型ながら体の熱の90%を保持してくれるポリエステル製でできていて、折り畳んでも厚みは約1.5cm、大きさは約15×15cmにしかならないので、気軽にバックパックに詰め込むことができそうです。
価格も1,000円以下なので気軽に試せるので、防災用に家族分揃えてもいいかもしれません。
Rothco サバイバルブランケット スペック
- サイズ:213×132cm
- 収納サイズ:約15×15cm
- 重さ:約55g
PATHFINDER Survival Blanket パスファインダー サバイバル ブランケット
出典:楽天
パスファインダーのロゴ入り収納袋がついた、サバイバルブランケットです。
アルミ側を内側にして体に巻き付ければ、体温の放射を防いでブランケットの中を暖かく保ってくれます。
防水シートとしてや、ハトメがついているのを活用してロープで張ってシェルター、タープとして使用するのもおすすめです。
PATHFINDER サバイバル ブランケット スペック
- サイズ:約152×213cm
- 重さ:約340g
BORN DIGGERS(ボーンディガーズ) エマージェンシーシート
出典:楽天
ボーンディガーズのエマージェンシーシートには、ハトメがついていないので固定することが不可能です。
その為、他商品の様にタープとしては使用できません。
しかし、レジャーシートやグランドシート、アルミ製のエマージェンシーブランケットとしては十分におすすめできる製品です。
素材はアルミニウムと低密度ポリエチレンを採用。
サバイバル用の製品と同じく、冷気や湿気を遮断し、内側に身体の熱を閉じ込め暖かさを保ってくれます。
アルミ面を外側に向けることで直射日光からの遮熱断熱効果も期待できます。
また、避難時など特に気になるのがガサガサ音。
アルミとポリエステルビニール製のエマージェンシーシートは被って身動きをするとどうしてもガサガサと音が鳴ってしまうのが気になるのですが、BORN DIGGERSのエマージェンシーシートはその音が控えめになっています。
アルミシートのサイズは、全身を覆うのにちょうど良い130×210cm。重量も約65gと軽量です。
折りたたむとポケットに入るくらいになり、収納袋も付属しているので、持ち歩く時も邪魔になりません。
ソロキャンプで手軽に持ち歩いてみたい人などに、大げさになり過ぎず便利に使えるシートだと思います。
BORN DIGGERS エマージェンシーシート スペック
- サイズ:130×210cm
- 重量:約65g
まとめ
雑誌やSNSで人気を集めていたGRABBER社のオールウェザーブランケット。
そもそもこの製品を開発したGRABBER社は、古くからエマージェンシーブランケットを開発・販売していた老舗メーカーです。
このGRABBER社のオールウェザーブランケットは特にNASAが開発した凄い製品で、見た目はちょっと分厚いレジャーシートのようなのに、プラスチックフィルム、アルミニウム、ポリエチレン繊維、プラスチックフィルムと全部で4層の素材を重ねた丈夫さと、断熱性の高さ、そして耐水性の高さが売りです。
反射熱により内部の熱を閉じ込め、すっぽりブランケットを被ると防寒にもなるという優れもの。
キャンプギアに被せてカバーにしたり、テント内でグランドシートやインナーマットの下に敷く、もちろん普通のレジャーシートとして、4角のハトメを使えばタープとしても使えます。
弱点としては強いて言うなら熱に弱いとか結露するくらいで、他社製品よりかなり丈夫で大事に使えば長く使えるとの口コミも見かけました。
このように頼り甲斐があり、とっても便利なオールウェザーブランケットなんですが、2023年現在、輸入販売していた会社でも品切れ状態となったり、価格が高騰化しています。
このオールウェザーブランケット人気を経て、類似商品もたくさん登場しています。
似ていると言ってもそれぞれ特徴がありますが、色々使えて汎用性がある防寒用品、タープ、シート、そして何より非常時への備えとしてこの手のブランケットはとても優秀な製品です。
価格も1,000円くらいから高い物でも4,000円くらいで購入できるので、まずは今年のキャンプのバックパックに忍ばせてみてはいかがでしょうか?