冬キャンプをしたくて仕方がない。
・・・でも、雪が降ったらどうしよう。行きたいキャンプ場には雪が積もってるんだよね・・・
なんて事で、気軽に行けるはずのキャンプが、冬の時期はハードルが高くなってしまうという人も多いはず。
雪が降る地域にお住まいの方ならそれほど大きな問題ではないかも知れませんが、関東平野部など、ちょっとした雪で大騒ぎしてしまう土地に住んでいると、雪道や凍結路の運転は大問題。
今までに雪が降ったせいで、予定していたキャンプを延期したり中止にした方もいるでしょう。
かと言って、金属製のチェーンを買うのはなんだか勿体無い気もするし、スタッドレスタイヤも頻繁には使わない。
そうなると、キャンプの為だけに車の足周りを揃えるのは金銭的にも大変です。
これはあくまで緊急用のチェーンとして必要な時に装着するアイテムなんですが、これがあると何かと役立ちそう。
今回は、そんな便利アイテムの「AutoSock」という布製タイヤチェーンの魅力を、装着の仕方などレビューも含めて紹介したいと思います。
目次
布製タイヤチェーンAutoSockとは
AutoSockは、1998年にノルウェーで生まれた布製タイヤチェーンです。
タイヤチェーンといえば、金属製でガチャガチャと音を立てて走行している様子を思い浮かべますが、AutoSockは布製なので静かに走る事ができます。
でも、布製だからと言って侮ってはいけません。
現在では、世界60ヵ国で販売されていて、各国の認証機関に認められているんです。
また日本のメーカーでも、内部基準によって承認されています。ちなみに日産の純正用品になっています。
グリップ力の高さ、素早く取り付けられる装着性、走行時の快適性などが評価されていて、現在では人気が高いアイテムになっています。
金属製タイヤチェーンとの違い
雪道と言えば、金属製のタイヤチェーンのイメージが強いですよね。
もちろん従来から、金属製のタイヤチェーンは、雪道に於いてその性能を存分に発揮してくれるので、冬の季節に車に携帯できれば安心です。
以前は2万円ぐらいしたような気がしたのですが、調べてみると、安い物では数千円から。
金属製のタイヤチェーンにもデメリットがあり、例えば重たいという事だったり、装着が面倒くさい、走行時の音がうるさい、嵩張る等など、挙げたらいくつも出てきます。
そんなデメリットの中で代表的なところにスポットを当ててみると、金属製タイヤチェーンが重たいのに対し、AutoSockは布製なので軽量。
タイヤのサイズにもよって重量は変わってきますが、金属製だと約4kg前後、AutoSockは約1kgほどと軽いんです。
重量は、タイヤへの装着時、持ち運ぶ時などに影響してきます。冬の寒中作業をする事になるので、軽い方が素早く取り付けられるし労力も少なくて済むかも知れません。
さらに、装着方法も金属製タイヤチェーンよりも簡単な為、素早く装着する事ができます。
以前、スキーに出かけた時に、金属製のタイヤチェーンの装着で大変な思いをした事があります。
慣れない作業だったので時間がかかってしまい、手はかじかむし寒いしで、辛い経験をした事があります。
AutoSockなら、タイヤの上半分に被せた後に少し車を進めて、残りの部分を被せるだけ。
金属製タイヤチェーンみたいに、これはどうなるんだ・・・と悩まなくても大丈夫です。
しかも、付属品に手袋が同梱されているので、手が濡れたり汚れる心配もありません。
緊急時やいざという時に、装着のしやすさって凄く大事だと思います。
AutoSockのパフォーマンス
AutoSockのパフォーマンスは、実際どんな感じなのでしょうか?
色々と調べてみると、AutoSockはスタッドレスタイヤ以上で金属製タイヤチェーン以下という感じのようでした。
スタッドレスタイヤだけでは、雪の坂道では滑ってしまう事もあるようですが、スタッドレスタイヤとAutoSockを併用すると、アイスバーンなど凍結した急な坂道を登る事も、荷物を積んだような車両でも安全に運転する事が可能になるとのこと。
特に氷上では、スノーチェーンよりも機能するようです。
注意点
AutoSockは、車の駆動輪に取り付けます。
前輪駆動車なら、前側の2本に。後輪駆動車なら後ろの2本に取り付けます。
さらに四輪駆動車なら、4本全てに取り付けする事をAutoSock側は推奨していますが、車両のメーカーによってフロント側だけに取り付け推奨、リア側だけに推奨していたりと違いがあるようです。
AutoSockを装着したからと、どんな道でもどんな走り方でもできるものではありません、
雪道や凍結した道路ではその機能性を発揮しますが、乾燥した道路ではAutoSock自体を痛めてしまうので、取り外すようにしましょう。
AutoSock社内と第三者機関による検証では、雪道(テストトラック)では数百km、乾燥した道路では120kmの耐久性があったようです。
また装着時は、車の速度は50km以下での運転が求められています。
AutoSock自体は、壊れない限り何度も使用できるものです。
早く摩耗して破損してしまわないように、乾燥路や必要ではない時には、なるべく取り外すようにしましょう。
・車の駆動輪に取り付ける
・乾燥した道路では取り外す
・装着時は50km以下での運転
タイヤサイズの調べ方
AutoSockには様々なサイズが用意されていて、自分の車に合ったものを購入するようにしましょう。
タイヤのサイズがよく分からいないよ・・・という方は、とりあえずタイヤの写真を撮影しておきましょう。
サイズを調べるために、ずっと外にいるのは大変だし、気になる時にすぐチェックできるのでおすすめです。
そして、タイヤの写真をよく見て、数字が書かれているところを見つけましょう。
僕のタイヤには『205/55R17』という記載がありました。
この『205』は、タイヤの幅。
/の後ろに書かれている『55』は、扁平率。
Rの後の『17』はホイールのインチになります。
これを公式サイトの「適合サイズサーチ」に入力して調べます。
すると、私の車のタイヤにあうサイズは『645』と結果が出ました。
この結果が、すでに商品ページになっていて、公式サイトでは直ぐに購入できるようになっています。
ちなみに商品の上に645と書かれたシールが貼られているので、他のショップで購入する時にもわかりやすいです。
装着レビュー
開封
2月に入り、東京都心でも大雪警報が出た日に、AutoSockを装着してみました。
家のカーポートでの作業なので、タイヤ周りには積雪はありません。
AutoSockか梱包されている袋はビニール製。雪に濡れることを考えると、少し安っぽくみえるこの袋は妥当な感じ。
中には折り畳まれたAutoSockが2つ。
一瞬見つけ難いですが、オレンジ色の手袋も同梱されています。
手袋は、薄いビニール製。使い捨てとでも言えるようなペラペラのものでした。
AutoSockの素材感
AutoSock本体を触った感触は、布製といってますが、イメージしていたものとは全く違ったもの。
考えてみれば、そんなペラペラな生地な訳はありませんよね。
布製というイメージでしたが、ビニール紐を細かく編み込んで頑丈にした感じ。
場所によって質感は違いますが、道路に接する部分はそんな感じです。
タイヤの外側にあたる部分は、メッシュになっていて、頼りなさそうにも見えますが、これが意外にちゃんとしていました。
メッシュの1本1本は、コーティングされた細めのビニール製の紐と言った感じのもの。伸縮性はなく、硬い肌触り。
タイヤの内側にくる部分は、1番外側にゴムになっています。
タイヤの内側側面になる部分は、薄いメッシュ生地。だからと言って、頼りない素材感ではなく、しっかりと破けにくそうな硬い生地になっています。これも布製とは言え、布ではない感じ。
AutoSockの内側をみると、色は違えど地面と接する部分と同じ素材なので、頑丈そうです。
また裏側から見える縫製は、糸が飛び出るようなところは見当たらず、ちゃんとしたものでした。
手袋の長さと薄さ
AutoSockをタイヤに装着するのには、簡単に言うと、はじめは上半分取り付け、その後車を動かしてもう半分部分を取り付ける流れ。
AutoSockの内側にはゴムがあるので、それを広げながらタイヤに被せていきます。
この時、車本体とタイヤの隙間の少し奥まで手を入れる事になるので、同梱されていた手袋が必須となります。
タイヤの奥まで手を入れると、大きいタイヤなら、肘ぐらいまで差し込む事もあるかも知れません。
付属していた手袋なら長さがかなりあるので、タイヤやフェンダー部分の汚れが服についてしまう事を防げます。
特に、AutoSockを使う季節は真冬なので、ダウンなど厚手のアウターを着込んでいるでしょう。
そうすると、普段よりも汚れる可能性は高いはず。
市販のビニール手袋だと長さが十分足りないこともあり得ます。
AutoSockに付属していた薄いビニール製の手袋は、ここにきて大活躍しそうです。
ただ、薄いビニール製の為、使い捨て感があり何度も使えそうにないというのがデメリットに思えました。
取り付け
腕を奥まで入れての作業になるのですが、タイヤに被せるのは思いの外簡単で、すぐに取り付けることができました(仮留め)
タイヤの上半分にAutoSockを仮留めしたら、次に車を動かしてタイヤを回転させます。
今仮留めしたタイヤの上部分が下側に来るように、タイヤを半回転するまで前進させるんです。
ただこれは1人でやるとその都度確認する必要があるので、面倒くさく感じるかも。
ピッタリ半回転ではなくても、取り付ける事は出来るので大丈夫。
タイヤを半回転させたら、AutoSockが取り付けられていない部分が上側に来ているはず。
先ほどと同じような要領で、AutoSockを被せて取り付けます。
ただこの時に下半分にはAutoSockが取り付けられているので、先ほどよりは少し力が必要になりました。
とは言え、全く出来なかったり苦労するような事はなく、意外にあっさり被せてる事ができ、金属製タイヤチェーンとの違いを実感。
あとは、側面の中心部分とタイヤの中心部分が合うように、AutoSockを引っ張るなどして調整すれば完了です。
僕の場合は僅かながらズレていましたが、タイヤと地面に接している部分は引っ張っても動かないので、このままにしておきまた。
ちなみに公式サイトの説明では、ズレていても走り始めると自然にタイヤの中央にフィットしていくようです。
取り付けは、僕の経験する限り、金属製タイヤチェーンの何倍も簡単でした。
取り外しも簡単
さらに取り外しも、凄く簡単。
取り付けと同様に、タイヤの上半分分を先に取り外してタイヤを動かすだけ。
この時も手を深く差し込むので、服が汚れてしまいます。
装着時に使った手袋は、捨てずに取っておきましょう。
タイヤの内側部分のゴムを広げながら、タイヤが外すだけ。
しっかり外しておけば、タイヤを動かした時に、残りの半分は勝手に取れてしまいます(取れない事もあるかも)
取り付けも取り外しも凄く簡単でした、、さらにそもそも軽量なので、持ち運ぶのも、取り付け作業も苦になりませんでした。
雪の降る中の作業なので、カッパなどの雨具があれば、さらに捗りそうです。
引用:AutoSock
まとめ
ノルウェー生まれの布製タイヤチェーンAutoSockは、降雪時や積雪時の緊急用の滑り止め対策として便利です。
金属製タイヤチェーンは、雪道の滑り止めという観点で言えば最強かも知れません。
ただ重たいし取り付け難いという取り扱い面において、不満が出てしまう事も事実。
AutoSockなら、条件によっては氷上でスノーチェーンよりも効果的のようです。
そして何より軽くて、取り扱いやすい点がメリット。
簡単に取り付けられるのは、緊急時や寒い中での作業では、かなり助かる事ではないでしょうか。
それでいて機能的にも満足でき、日産では純正品になっています。
冬の降雪に備えて、もしものために車に携帯しておけば、キャンプへのハードルも少し下げられそうです。
布製タイヤチェーンAutoSockを、一度チェックしておきましょう。
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