寒い冬のキャンプは、焚き火やストーブで体をあたためながら熱燗でキュッと一杯。
そんな楽しい晩酌シーズンが終わった今、次にくるのは気だるい暑さの夏キャンプ。
汗ばむ体にジトジトまとわりつくTシャツ・・・。
日が暮れてもまだ熱くて、うんざりしちゃう・・・そんな疲れを吹き飛ばすように、冷たいチューハイやハイボールを流し込む幸せ。
アルコールじゃなくても炭酸飲料やジュース、お茶やミネラルウォーターに氷を入れて飲み干したりするのもまた夏キャンプのちょっとした楽しみですよね。
だけどこの「キンキンに冷えたアルコールや飲み物」を楽しむためには「キンキンに冷やすためのキャンプギア」がもちろん必要で、そのために数多くのクーラーボックスやアイシンググッズが紹介されてきています。
クーラーボックスにコンビニで買った氷を入れておいても、いざ飲もうと思ったときには溶けて水になっていたことはありませんか?
さらに、その経験から高性能なクーラーボックスを書い直し、そこに高性能な保冷剤を入れ、蓋の開け閉めを極力抑えて使用する・・・なんて、ストレスが溜まってしまう行動をしていませんか?
しかし、そんな溶けちゃいがちな氷問題を解決するアイテムがあるんです。
それは「家庭用製氷機」
家庭用だったら駄目じゃん、って思うかも知れませんが、これがあればすぐに氷を作れちゃう。
今回は、夏キャンプに便利な「家庭用製氷機」にスポットを当てて、その選び方やおすすめ商品について詳しく紹介したいと思います。
目次
家庭用製氷機って?
出典:楽天
水を入れるだけですぐに氷ができる機械、それが「家庭用製氷機」です。
この家庭用製氷機自体は結構昔から存在していて、水を入れてから大体40分くらいで氷ができるものが一般的だったんです。
家庭用冷凍庫の製氷機で氷を作る場合、通常のスピードで大体2時間くらいかな、という程度。
そう考えると昔からある家庭用製氷機でも、氷を作るスピードは冷凍庫に比べると早いと言えます。
でもね、最近の家庭用製氷機は、想像を超える超進化を遂げていたんです。
電源付きサイト・ポータブル電源の低価格化と高性能化など、キャンプでも電化製品を取り入れることが増えてきた昨今、便利な電気機器の選択肢も増えてきています。
その選択肢に、家庭用製氷機を加えることができるのか、少し見てみましょう。
夏キャンプで家庭用製氷機の使い方
①人数が多く食材の量が多い場合
夏キャンプといえば、子供を連れてのファミリーキャンプ、友達みんなで集まってグループキャンが盛んに行われますよね。
キャンプのメンバーが多く、それに伴って食材の量が多くなる場合、それを保冷するためのクーラーボックスや保冷剤も多く、大きくなります。
それにプラス人数分の氷を用意するとなるとどうしても嵩張るし、いくら用意してもたりない気がしますよね。
②連泊する場合
何日も宿泊する場合もまた、氷はいくらあってもたりません。
足りなくなった食材を買いに行くついでに氷も一緒に買い足せば良いのですが、そこで家庭用製氷器があれば必要なのは電力と水だけ。
氷代の節約にもなります。
③キャンプで全員が飲める!
参加者が全員酒飲みだった場合、またはソロキャンプだった場合。
まあソロの場合足りなくなるほど氷を使うことはあまりないかもしれませんが、グループの場合は氷が足りなくなった時に全員が飲んでいたら氷を買いに行く人の足がありません。
ですがその場に家庭用製氷機があれば、下戸の人の手を煩わせたり、誰かが買い出しのために飲まないなんて損をすることにはなりません。
足りなくなったらその場ですぐに氷を作れば解決です。
キャンプ用の家庭用製氷機の選び方
①消費電力が多くないもの
現在売られている一般的な小型の家庭用製氷機の消費電力は大体100〜200Wくらい。
電源にポータブル電源を考えている場合、使用するポータブル電源の「消費電力」にご注意ください。
400Whの容量で消費電力が200Wまで電化製品が使用可能なポータブル電源と、400Whの容量で500Wまで使用可能なポータブル電源なら後者のほうが使用範囲、用途は広がります。
ですがポータブル電源は使用可能W数が高いからと調子に乗っていると痛い目をみます。
バッテリーの減り方に注意していないとすぐに電力を使い切ってしまうこともあるので、家庭用製氷機はもちろん、キャンプに家電を取り入れたい時は消費電力はできるだけ抑えめに。
200W以下のものを選ぶとよいでしょう。
②時間で選ぶ
出典:楽天
水を入れてから、氷ができるまでの時間がかかりすぎていては意味がありません。
必要な分を必要なだけ短時間で作れれば便利ですよね。
欲しい時にすぐとまでは行きませんが、家庭用の製氷機はかなり早く製氷ができちゃうんです。
でも、今回紹介する一般的な家庭用の製氷機には、氷を保冷しておく機能がないものが多いんです。
タイマー機能があるもの、水を入れてすぐにできるものなど、氷ができるまでの時間も家庭用製氷機を選ぶ基準の1つのポイントになります。
そして出来上がる氷の形でも、氷が出来上がるスピードに違いが出ます。
一般的な冷蔵庫でもできるキューブ型の氷は、製氷までに20〜30分と、ちょっぴり時間がかかってしまいます。
でもキャップ型と呼ばれるペンシルキャップのような形の氷なら、6〜10分程度という超高速で氷ができちゃうんです。
ただ、キューブ型の氷の方が透明度が高く、氷の出来がきれいな感じがしますよね。
家庭用製氷機だとロック型もあり、それは約14分ぐらいの時間がかかりますが、透明度の高い固い氷が作れます。
もし氷の見栄えが気になる人がいましたら、製氷時間と一緒に氷の形についてもチェックしておいてください。
③タンク容量で選ぶ
出典:楽天
家庭用の製氷機の中で、キャンプ用にちょうどいい小型のものだとしたら、タンクの容量は大体2リットル前後が一般的でしょうか。
2リットルで、大体4人分くらいの氷ができます。
また、本体が大型のものだとキャンプに持って行くのが大変です。
さらに本体に取っ手がついていると持ち運びに便利でしょう。
④メンテナンスのしやすさで選ぶ
家庭用の製氷機は、口に入れるものを作る機械なので、メンテナンスはしやすい方が衛生的でいいですよね。
給水タンクやフィルターなどが取り外せると丸洗いできるのでとっても便利。
また、排水口がついているタイプなら底面にあるとお掃除をする時に便利です。
⑤氷の溶けにくさと安定性
出典:楽天
出来上がった氷にも、溶けやすさがあるのはご存知ですか?
キューブ型でじっくり作った氷と、キャップ型のスピーディーに作った氷だと、キューブ型やロック型の方が溶けにくいというデータもあります。
せっかく作った氷でも、飲み物に入れてすぐに溶けてしまっては意味がありません。
氷の溶けが早いと、飲み物やお酒が薄まっちゃうし、すぐに温くなってしまいます。
コップの中でなるべく長く氷を保持したければ、キューブ型の製氷機がおすすめです。
キャップ型のスピード製氷機の中でも溶けにくいものを選ぶのなら、10分前後のものがおすすめとの口コミもみかけたので、気になる人は参考にしてみてください。
製氷機の水に水道水を使うのはどうして?
ここでご紹介する家庭用の製氷機をはじめ、冷蔵庫の製氷機でも使用する水は水道水が推奨されています。
皆さんはなぜミネラルウォーターではいけないのかご存知でしょうか?
水道水を推奨される理由は、蛇口から出た水には、殺菌効果がある塩素が含まれているからなんです。
この水道水に含まれる塩素が、浄水フィルターの腐敗や劣化を抑えて、保存性にも適した氷を作ることができるからと言われています。
ですが製氷機や冷蔵庫のお手入れやメンテナンスを怠れば、水道水を使用していても雑菌は繁殖してしまいますので「水道水をつかっているから大丈夫」と思わずに、定期的なメンテナンスとお掃除は忘れずに行いましょう。
ちなみに、最近の家庭用製氷機の中には給水タンクや給水パイプ、フィルターを外して丸洗いすることができるものもあります。
こういった機種なら、ミネラルウォーターを使って氷を作ることもできるようです。
しかし、お掃除の頻度はかなり頻繁に(すごいものなら3日に1度レベル)行わなければならない機種もあるようなので、使用前にお使いの製氷機の説明書をよく読んで正しく使いましょう。
おすすめ家庭用製氷機
高速製氷機 楽氷くん2
出典:楽天
楽氷くん2の貯水タンクの容量は約2.0リットル。
目安として約12kg /日くらいの氷が、約6~12分でできあがります。
楽氷くん2の氷の形はキャップ型。素早くできる分やや透明度は下がるのですが、お水を入れてすぐに氷ができるお手軽さは大きな魅力。
しかも製氷できる氷のサイズは、直径24×28mmの小サイズと、直径30×32mmの大サイズの2種類から選ぶことができます。
窓が大きく氷が出来上がったのを確認しやすいところもおすすめポイントの1つです。
消費電力は100W〜120Wなので、ポータブル電源を使って短時間でさっと氷を作ってしまいましょう。
高速製氷機 楽氷くん2 スペック
- 本体サイズ:約(幅)220×(奥)315×(高)325mm
- 重量:約6.8kg
- 氷の保管量:約700g(氷ケース)
- 使用電力・製氷時:100W
- 使用電力・収穫時:120W
- 本体電源:AC100V 50/60Hz
- 製氷時間:約6~12分
- 氷の形:キャップ型
ベルソス 高速製氷機II VS-ICE02 レッド/シルバー
出典:楽天
ベルソスの高速製氷機Ⅱも、水をいれてボタンを押すだけの、ワンツーステップで氷ができる家庭用小型高速製氷機です。
約6~13分という短時間で欲しい時にすぐ氷が出来上がります。
直径20×25mmのSサイズ、または直径25×30mmのLサイズの選べる2種類から用途に合わせてサイズ違いのキャップ型の氷を作ることができます。
貯水タンク容量が約2.2リットルで、製氷能力は目安として約12kg/日となっています。
ベルソス 高速製氷機II VS-ICE0 スペック
- 本体のサイズ:24.5×36.5×32.5cm
- 本体重量:8.8kg
- 消費電力:110W
- 電源:AC100V 50/60Hz
- 貯水タンク容量:約2.2L
- 製氷時間:約6~13分
- 氷の形:キャップ型
サンコー 高速 製氷機 IceGolon DTSMLIMA
出典:楽天
サンコーのIceGolon DTSMLIMAの氷のタイプは弾頭型とありますが、要するにキャップ型のことで、こちらの機種もLサイズ直径27×高さ30mmと Sサイズ直径25×高さ28mmの2種類の氷を作ることができます。
1回で製氷できる氷の個数は7個と少なめですが1回の製氷時間は最速6分〜15分(氷Sサイズ6分Lサイズ8分、環境温度により変動)と、できるだけ早く氷が欲しい人にはこれでいいという人も多いのではないでしょうか?
氷の保管量は約315g(氷35個)。貯水容量は約1.3Lと他機種に比べるとやや少なめです。
価格電圧は100V 50/60Hz。消費電圧は120Wとなっています。
IceGolon DTSMLIMA製氷機、他機種に比べて何がいいかと言うと、製氷中に静かなところ。
氷が必要な時間帯は、キャンプ場でも静かに過ごしている夜だったりすることも多いと思います。
そんな夜に氷を作るのに、ガラガラガラガラ音をたてては周囲に気を遣ってしまいますよね。
IceGolon DTSMLIMAの動作音は、真上からだと約50dB。
約50dBといえば「静かな事務所」「木々のざわめき」並の静かさです。
卓上で静かに氷を作ることができるので、静音性の高いものをお探しであるならおすすめできます。
サンコー 高速 製氷機 IceGolon DTSMLIMA スペック
- 本体サイズ:240×260×290mm
- 重量:7kg
- 消費電力:120W
- 電源:100V 50/60Hz
- 貯水容量:約1.3L
- 製氷時間:最速6分〜15分
- 氷の形:弾頭型(キャップ型)
高速アイスメーカー クリアロック RM-100H
出典:楽天
ここまでスピード重視で氷が早く作れる機種を紹介してきましたが、次に紹介するのは水道水で硬く透明度の高い氷が素早く作れるタイプ。
高速アイスメーカー クリアロック RM-100Hは、氷やグラスの見た目にもこだわりたいあなたにおすすめしたい製氷機です。
2.2Lの大容量水タンクに約1kgまでの大型氷バスケットを搭載し、最短約14分で透明度の高いロック氷を作ることができます。
13段階の様々な氷を楽しめるモードもあるので、氷にこだわりたいあなたならこの機種一択かもしれませんね。
消費電力が180Wと、上記で紹介してきた機種に比べるとやや高めです。
例えば400Whのポータブル電源で使用した場合、損失を2割だと考えると、400Wh×0.8÷180Wで1.78時間となります。
1.78時間は約107分なので、14分で割ればおおよそ7回ぐらいは製氷できる計算になります。
(ただし、これはあくまで概算なので、実際のポータブル電源の効率や他の要素によって大きく異なる場合もあります。)
消費電力は高めなんですが、ここでチェックしておきたいのが騒音レベル。
高速アイスメーカー クリアロック RM-100Hの騒音レベルは45dbと、先ほど紹介した機種よりも、低い数値をマークしているんです。
道路の騒音としては聞こえるがほとんど気にならないレベル、室内であれば通常の会話レベルなので、寝静まった夜中以外ならキャンプの夜でも気兼ねなく使えると思います。
高速アイスメーカー クリアロック RM-100H スペック
- 本体サイズ:約28.7×37.5×H35.7cm
- 本体重量:約11.0kg
- 貯水タンク:2.2L
- 消費電力:180W
- 電源:AC100V 50/60HZ
- 製氷時間:最短14分
- 氷の形:ロック型(クリア)
ROOMMATE 高速製氷機 自家製アイスメーカー RM-115TE
出典:楽天
ROOMMATEの高速製氷機も、水道水を入れてボタンを押すだけで簡単にロックアイスが出来上がります。
製氷にかかる時間は、最短で約14分。
製氷できる氷のサイズはS・M・Lの3サイズ。
2Lの大容量タンクを搭載し、一度にたくさんの氷を作ることができます。
満氷量は約2.0kgで、最大連続製氷回数は12回となってるので、作り貯めみたいなこともできそうです。
気になる騒音レベルは約55dBとかなり静かな部類に入ります。
ROOMMATE 高速製氷機 自家製アイスメーカー RM-115T スペック
- 本体サイズ:約290×370×360mm
- 重量:約12kg
- 消費電力:140W
- 電源:AC100V 50/60Hz
- タンク容量:2L
- 製氷時間:最短14分
- 氷の形:ロック型
氷があればビールも冷やせる!
飲み物は氷を入れて飲むばかりではありません。
氷を入れて薄めたくない飲み物の代表といえば・・・そう、ビールですよね。
家からすぐにキンキンに冷やしてクーラーボックスに入れればいい話なんですが、入れ忘れてしまったり、途中で購入したビールが温くなってしまった・・・なんて経験はありませんか?
ハイボールやチューハイであれば氷を入れて飲めばいいのですが、ビールだとそうはいきませんよね。
そこで製氷機の登場です。
製氷機の氷はビールを冷やすのにも便利なんですよ!
例えば缶ビールがすっぽりおさまるサイズの容器の中に氷を敷き詰めて、横にしたビールを約3〜5分くるくる回してみましょう。
短時間でビールが冷たくなりますよ。
また、いくら製氷機があってもたくさんの氷を準備できなかったり、冷やしたいビールが複数本ある場合には、水を入れた容器の中にトレイ2つ分の氷と塩小さじ2杯を入れてかき混ぜた中にビールを入れておきましょう。
これは氷に塩を混ぜると溶けるスピードが増して周囲の温度を急激に奪うからです。
さらに塩が、氷が溶けた水に溶ける時に、さらに周囲の温度を奪うという反応を利用した冷やし方なので、ビールを冷やす以外にも覚えておくと色々役に立つと思います。
まとめ
キャンプで氷があると便利なんですが、大人数のキャンプだと食材の量が多くなってしまったり、連泊するキャンプの時は氷が足りなくなったりしてしまうこともありますよね。
それなら途中で追加購入すればいいと考えがちですが、いざ実際にその場面になってみると、参加者が全員がお酒を飲み始めてしまって車が運転できなくて買いに行けない、もしくは買いに行くのが面倒くさくなってしまうことが多々あります。
最近のキャンプ場には電源があるキャンプサイトも多くありますし、ポータブル電源を活用してキャンプに上手に電化製品を取り入れる人も増えているので、家庭用の製氷機もそんな今時のキャンパーさんの中で話題になり始めている家電の1つなんです。
大体1〜2万円程度で購入でき、高いものは3万円以上。
ただ、いちいち氷を買いに行く費用や手間、氷代を考えたら元はすぐに取れるのではないでしょうか。
昔は1回作るのに40分もかけていた製氷機も、近年の家庭用製氷機では最短で6分、長くても30分で作れるものが多く、時間をかけるとそれだけ透明度が高く溶けにくい氷ができたりとメリットもあります。
消費電力は100〜200Wと、キャンプでポータブル電源を使って作るのに問題のない程度の電力だと思います。
氷を作る時の騒音も、あまりうるさく感じにくくなっているようです。
水道水をざばっと入れて、スイッチ1つで氷ができちゃえば、飲み物やアルコールを冷やす以外にもキャンプで冷たいかき氷などのデザートを楽しんだり、暑い夏の日の熱中症予防にも役立ちます。
あると便利な家庭用製氷機、今年の夏に導入してみてはいかがでしょうか?