皆さんは、アルコールバーナーやアルコールストーブというアイテムをご存知ですか?
アルコールバーナーは、その名の通りアルコールを燃料とし使うバーナーです。
ガスを燃料に使ったシングルバーナーに比べるとちょっぴり火力も弱いし、正直これ必要あるのかなんて考えている人も多いと思います。
この、ゆるく静かに燃えるアルコールバーナーの火は、シングルバーナーや焚き火などの強い火に敵いません。
しかし、シングルバーナーや焚き火にはない独特の優しさと温かさ、そしてエモさがあります。
そこで今回は、アルコールバーナーってぶっちゃけどうなのか?
そのメリットやデメリット、どんな人におすすめなのかまで詳しく紹介していきたいと思います。
目次
- 1 アルコールバーナーって何に使うの?使用目的とメリット・デメリット
- 2 おすすめのアルコールストーブ5選
- 3 まとめ
アルコールバーナーって何に使うの?使用目的とメリット・デメリット
アルコールバーナーとは?
アルコールバーナーとは、アルコールストーブとも呼ばれるアルコールを燃料としたバーナーのことを指します。
アルコールバーナーの燃料は「燃料用アルコール」。
主成分をメタノールとし、アルコールバーナーの他、学生時代だれでも一度は使ったことがあるであろう「アルコールランプ」に使われています。
他には、おしゃれな喫茶店で、サイフォンでコーヒーを抽出するときにも使われている燃料だったりします。
燃料用アルコールは、ドラッグストアやホームセンターで購入することができ、店によっては大容量のものをまとめ買いすることもできます。
アマゾンでは、2本セットより3本セットの方がお得だったりするんです。
アルコールバーナーの本体は、凄く軽量で準備や組み立てもほとんど必要としません。
アルコールバーナーの蓋を開けて、そこに燃料を入れて着火するだけ。
商品によっては、燃料を入れてから1分半そのままにして慣らす必要がある物もありますが、使い方はだいたいが同じはず。
気化したアルコールに火がついて、火が安定すれば即使用できるお手軽さが最大の魅力と言えるでしょう。
アルコールバーナーでできること
アルコールバーナーはシングルバーナーと同じように、調理に使うことができます。
シングルバーナーや焚き火に比べると、どうしても燃焼時間は短めになってしまうし火力も落ちます。
しかしお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、簡単な調理くらいなら問題なくこなすことができます。
組み立てや準備が少なく、使用前に手間がかからず面倒なことがありません。
本体に燃料を注いで火をつけるだけで使用することができます。
アルコールバーナーにはどんなメリットがあって、どんな人におすすめ?
①ソロキャンパー
出典:楽天
荷物を減らしたいソロキャンパーさんに、アルコールバーナーの愛用者が多いのは何故なのかわかりますか?
それは荷物が少なくて済むからです。
アルコールバーナーは、容量によって燃焼時間が決まります。
その燃焼時間内は安定して燃えてくれるので、欲しい時間+αくらいの量を小分けにしたアルコール燃料を小さなボトルに入れて、本体はクッカーの中にでも収納してしまえば驚くほど荷物がコンパクトになるんです。
そこに五徳と風防を加えると最強!
とにかく荷物をコンパクトにまとめたい方に、アルコールバーナーはかなりおすすめです。
②凝った料理をしない人
キャンプの楽しみは人それぞれなので、キャンパーさんの中には現地ではあまり凝った料理をしないということにこだわりがある人もいると思います。
インスタントコーヒーをちょっと入れたいだけ、1人分の米を炊き1品のおかずを作りスープを飲むだけ、カップラーメンを作るだけ・・・。
そんなお手軽キャンプなら、重く嵩張るシングルバーナーよりアルコールバーナーの方が使い勝手が良い場合もあります。
しかもアルコールバーナーは燃焼時間内であれば、しっかりと安定して燃え続けることができます。
③たくさん料理をしたい人
逆に、たくさんの調理をしたい人にもおすすめなんです。
焚き火を楽しむキャンパーさんの中には、焚き火で調理を済ませてしまう人もいると思います。
また、シングルバーナーで調理をしている時、並行してお湯を沸かしたり、スープを温めたり、食後のコーヒーを淹れたりと、そんな気負わないもう一品を作れたら便利だと思いませんか?
軽量で燃料も嵩張らなく持ち運びやすいアルコールバーナーは、焚き火やシングルバーナーと並行して使用する予備の2つ目のバーナーとしてもおすすめです。
④冬キャンプをする人
レギュレーターやブースターが付いているシングルバーナーなら、どの季節でも比較的安定して使用できるので問題はありません。
しかしガス缶を使用するシングルバーナーの中には、低い温度に対応しきれないものもあります。
それを冬キャンプで使うと、火力が弱すぎて使い物にならないくらいになってしまうことがあります。
また、気温だけでなく天候に左右される燃料もあります。
固形燃料の場合は、特に風に弱く、風防を使っていても無理な時は無理。
メスティンで自動炊飯をしようとキャンプで試しても、ご飯が炊き終わる前に固形燃料が尽きてしまう経験をしたことある人も多いのではないでしょうか?
薪の場合は薪集めがうまくいかなかった、持参したり売店で買った薪が湿ってしまって燃えにくくなってしまったなんてアクシデントもありえます。
しかしアルコールバーナーの燃料となる燃料用アルコールは、低い気温でも安定して使用することができます。
そしてなにより、アルコールバーナー自体のサイズが小さく軽量なので持ち運びも楽。
極寒の現地に行って発生するかもしれないアクシデント対策、保険のためのギアとしても、優れているキャンプギアといえます。
ただしアルコールバーナーも風には弱いので、風防を忘れずに持っていくようにしましょう。
⑤お手軽キャンプ体験をしたい人
ここ数年で、キャンプを楽しむ人が急増していますよね。
おうちのベランダや庭でも、お手軽なキャンプ気分を味わう人も増えてきました。
周囲に家が隣接していなければ、ベランダや庭で焚き火やバーベキューを楽しんだりするのも楽しいですよね。
しかし自治体の決まりや立地によっては焚き火をするのは厳禁になっていたりすます。
そんな時には、静かに燃えて火力もですぎないアルコールバーナーはいかがでしょうか?
アルコールバーナーを使ってお湯を沸かし、静かにコーヒーを飲む。
カップ麺を、屋外で食べるだけでも楽しいイベントになります。
マシュマロを焼いてビスケットで挟むサモアなんかも、お手軽にできて美味しいですよ。
もちろんベランダやお庭じゃなくても、火器を使っても大丈夫な河原やバーベキューが可能な公園で楽しむのもおすすめです。
⑥初心者キャンパー
アルコールバーナーは、シングルバーナーの約半額くらいで購入できるところもいいところ。
使い方がシンプルなだけでなく、その構造も非常にシンプルなので丈夫で壊れにくく、特別な手入れが必要ないところもメリットの1つ。
お手軽なので、おうちで練習しておくとなお安心。
火をつけるのも簡単、火を消すのも簡単。
大体のアルコールバーナーには火消し用のふたがついていて簡単に消火ができちゃうし、燃料のランニングコストが安いことにも注目したいですよね。
ですがあまりに安い製品だと、火加減の調整ができないものもあるので注意しましょう。
100均で購入できるものは、火力調整はできない代わりに、めちゃくちゃ安いので魅力的です。
アルコールバーナーのデメリット
①風に弱い
ガスのように勢いよく一気に炎がつかないアルコールバーナーは、風がある日は炎が真っ直ぐに上がらず火力が上がらないことがあります。
そんな時には、風防をセットで準備しておくと安心です。
風防の中に五徳をセットしてしまえば、何の問題もありません。
②燃費の良し悪し
ガスの場合は、CB缶とOD缶の違いによっても燃費の良し悪しは変わってきます。
アルコールバーナーの場合は、一回に燃料を注げる量が決まっているので、長時間火を使ってキャンプ料理を作ったり、じっくりコトコト料理を煮込みたいと考えている人にとっては向いていません。
そして、長時間の調理をするとなると、アルコールバーナーの燃費はあまり良いとは言え無いのかも知れません。
調理スタイルによって、シングルバーナーを使うのかアルコールバーナーを使うのかを見極める必要があります。
③火力調整の難しさ
出典:楽天
ガスバーナーの火力調整は、つまみを回すだけで完了です。
一方アルコールバーナーの場合は、火力調整用の弁を被せてスライドさせることで調整します。
この被せてスライドという作業が慣れるまで何気に大変なんです。
何度かこなすうちに上手くなると思いますが、ここに面白さや快感を見出せなければ、シングルバーナーの方が使いやすいんじゃないかと感じてしまうでしょう。
なお、この蓋に取っ手がついている製品もあります。
ちなみにダイソーで販売されているアルコールストーブは、蓋しか付いていないので、火力調整はできません。
アルコールバーナーは暖房がわりになる?
出典:Amazon
寒い冬キャンの場合、気になるのが暖を取れるかという話。
最近はシングルバーナーに「ヒーターアタッチメント」と呼ばれるメッシュの金属の蓋を被せて遠赤外線でストーブ代わりにする、なんて便利アイテムも登場しています。
実際このヒーターアタッチメントでアルコールストーブを暖房に使ってみた人もいるようですが、ガス缶に比べるとアルコールバーナーの燃焼時間はかなり短かく火力も低め。
周囲がちょっぴり暖かいかな・・・くらいだそうなので、アルコールバーナーを暖房にとはあまり考えないほうがいいかもしれませんね。
僕も実際にアタッチメントなしのアルコールバーナーで暖かいのか試してみましたが、普通にバーナーの周囲がちょっと暖かいのと全く同じ。
アルコールバーナーをそのままで暖房として使うには、個人的には無理なんじゃないかと思いました。
ヒートアタッチメントはガレージブランド等でも販売されているので、中には暖かくなるものもあるかも知れません。
アルコールバーナーの選び方
①素材で選ぶ
出典:楽天
アルコールバーナーに使用される素材は金属。
アルミや熱伝導率が低く軽く丈夫なチタン、そして真鍮です。
アルミは軽く丈夫で錆びにくいので、キャンプギアとして求められる3要素を全てクリアしているのでおすすめの素材と言えると思います。
価格もそれほど高騰化しないのが良いとろこです。
真鍮は、ゴールド系の色合いとクラシック感がありどこか懐かしさを纏っていて、雰囲気を楽しみたいキャンプスタイルにおすすめ。
しかも真鍮は使えば使うほど味が出て、風合いや色合いに変化が起こります。
経年劣化を含め、アルコールバーナーを使い込んでいきたい人におすすめの素材です。
最後に紹介するのがチタンです。
落ち着いた銀色が特徴のチタンは、金属疲労に強く耐久性に秀でています。
アルミほどではないけれど金属としてはかなり軽いので、より長くアルコールバーナーを使用したい人には、価格は多少高くともチタンをおすすめします。
②容量で選ぶ
出典:楽天
アルコールバーナーの燃焼時間はバーナー自体の火力の出方によっても左右されますが、概ね中に入る燃料の量で決まります。
調理に使いたい場合は、火力が強く容量の多いものがおすすめです。
しかし容量が多くなるとアルコールバーナーのサイズも大きくなるので、携帯性の高さが損なわれてしまうこともあります。
アルコールバーナーを使用する時は、ある程度調理時間と調理する量を定めておきましょう。
あまり大掛かりなことはしないと、はじめから割り切ることも必要です。
③火力調整機能で選ぶ
調理に使うなら火力調整機能はついていた方が絶対便利ですし、燃料消費もある程度コントロールできます。
多くの場合、火力調整用の蓋をスライドさせて調整します。
最近はフラップを上下する火力調整機能を持つ製品もあるようなので、気になる人はチェックしてみてください。
④付属品で選ぶ
出典:楽天(トランギア用ゴトク)
アルコールバーナーに、専用の五徳や風防があると安心です。
同じメーカーで揃えた方が使いやすく、アルコールバーナーがより安定して使用できますよ。
⑤エモさで選ぶ
もういっそ、エモさで選んじゃうのもありではないでしょうか?
アルコールバーナーってとても静かに燃えるし、炎も優しく綺麗なんです。
そんなに高価なものじゃないので、欲しいと思ったら試してみるのもありだと思います。
シングルバーナーを2台購入するより安いですし、なにより楽しいですよ。
おすすめのアルコールストーブ5選
trangia(トランギア)アルコールバーナーTR-B25
出典:楽天
アルコールバーナーといえばトランギア。
半世紀以上のロングセラーを誇るアルコールバーナーは、美しく燃える炎と火力の安定性で評価も高く流石の一言。
アルコールタンクの中に燃料を2/3ほど注入すると、約25分ほど燃焼を続けます。
風や低温にも強く、着火も簡単。
使用することができる燃料は、エチルアルコールとメチルアルコールです。
トランギア アルコールバーナーTR-B25 スペック
- 収納時サイズ:直径7.5×高さ4.5cm
- 重量:110g
- タンク2/3(100cc)で25分燃焼
EVERNEW(エバニュー)ALストーブスタンドDXセット EBY255
出典:楽天
エバニューのアルコールバーナーの素材は、軽量で丈夫なチタン製。
これは、アルコールストーブ(アルコールバーナー)に、スタンドがついた豪華なセットです。
スタンドは風を遮るだけでなく、筒状になった内部に上昇気流が発生し、燃焼効率をアップさせる効果があるんです。
スタンド内にストーブを収納して、コンパクトに携帯できるところも便利です。
エバニュー ALストーブスタンドDXセット スペック
- 上部スタンドサイズ:径8.2×高さ6cm
- 下部スタンドサイズ:径8×高さ5cm
- アルコールストーブサイズ:外径7.1(内径3.9)×高さ4.2cm
- 質量:86g
- 材質:チタニウム
Esbit(エスビット)アルコールバーナー ESAB300BR0
出典:楽天
エスビットのアルコールバーナーは、真鍮製。
タンクには約100mlの燃料が入り、燃焼時間は約20分となっています。
ちなみに50mlの燃料を消費して約600mlの水が12〜13分ほどで沸騰するようです。
エスビットのアルコールバーナーの火消し蓋は上から被せるだけの構造になっていて、天板を動かして火加減の調整を行いますが、天板には便利なハンドルが付いています。
燃料はメチルアルコールが推奨ですが、エチルアルコールも使用することができます。
エスビット アルコールバーナー スペック
- サイズ:直径7.4×高さ4.5cm
- 重さ:92g
- 約100mlで燃焼時間約20分
VARGO(バーゴ)アルコールバーナー チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ T-305
出典:楽天
バーゴのチタニウムトライアドマルチフェーエルストーブは、連続燃焼時間は約20分のチタン製アルコールバーナーです。
500ccの水を約5〜6分で沸かすことができます。
この商品の最大の特徴は、アルコール燃料だけでなく固形燃料や燃料ジェルの3種類の燃料を使用できるところ。
しかもキャンプで使いきれず残ったアルコール燃料は五徳を使って戻すこともできます。
チタン製なので、重量は30gとかなりの軽量なのも嬉しいポイントです。
バーゴ アルコールバーナー チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ スペック
- サイズ:直径8.6×高さ2.7cm
- 重量:30g
- 容量:44ml
- 連続燃焼時間約20分
Naturehike アルコールバーナー
出典:楽天
Naturehikeのアルコールストーブの素材には、真鍮とアルミ・ステンレスを使用しています。
おしゃれな五徳が付属していて、カラーはゴールドとグリーンがあり見た目も楽しいですよね。
色違いのゴトクでかなり雰囲気も変わるので、購入時は慎重に。
火力も強めで使いやすい商品という口コミもみられました。
Naturehike アルコールバーナー スペック
- 本体サイズ:7.4×高さ4.6cm
- 収納サイズ:11×10.5×7.5cm
- 五徳のサイズ:9.7×6.5cm
- 材質:黄銅,アルミニウム,ステンレス
- 耐荷重:約5kg
まとめ
アルコールバーナーはアルコールストーブとも呼ばれる、アルコールを燃料とするバーナーのことを言います。
使用する燃料は、燃料用アルコール。
メタノールとも呼ばれ、アルコールランプやサイフォンの燃料としても使われているものです。
ドラックストアやホームセンターなどで購入することができるので、入手も容易。
ちなみに、デイツなどに使われるレインボーオイルは火力が弱くて使えません。
アルコールバーナーは、ガス缶を使用するシングルバーナーや焚き火に比べると火力が弱く、燃焼時間も少なめ。
じっくり料理をする人には、サブのバーナーとしてあると良いかも知れません。
ささっと料理を終わらせて簡単に食事をしたい人なら、アルコールストーブだけでも十分満足できるはずです。
アルコールバーナーの良いところには、燃焼に気温が大きく影響しないことが挙げられます。
レギュレーターやブースターを搭載していないシングルバーナーは、あまりに低い気温になると使い物にならないくらい火力が弱まってしまいます。
一方アルコールバーナーは、温度の影響を受けにくいのでしっかり燃焼します。
しかし風には弱いので、屋外で使う時には風防は必ず用意しておきましょう。
何よりも、アルコールで燃える炎は優しく静かでなんとも言えない見た目の美しさを備えています。
機能性や利便性、火力の高さを考えるとどうしてもシングルバーナーに軍配が上がりますが、アルコールバーナーの持つ「エモさ」はアルコールバーナー独自のもの。
キャンプにべランピング、登山など様々な場所で火をつけて安定すれば即使えるアルコールバーナーを、是非一度試してみてください。
ハマると、ソロキャンプじゃなくても楽しいですよ。
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