アウトドアブランドSABBATICAL( サバティカル )で、大人気の大型テントの1つと言えばSKYPILOT TC(スカイパイロット TC) がありますよね。
基本はワンポールなので組み立てがすごく簡単。その上、ワンポールを4つのピラミッドラインで支えるというちょっと特殊な多面体の構造をしている、不思議でおしゃれな形のテントです。
人気があるが故に、今まで抽選販売されていましたが、ここ最近では通常販売に切り替わっているので、徐々に行き渡ってきたという感じでしょう。
SKYPILOT TC(スカイパイロット TC)は、ファミリーキャンプ用のゆったり過ごせるツールームテントとして、はたまたグループキャンプ向けに広々としたリビングスペース用のシェルターとしても使用できます。
僕の場合は、みんなキャンプに一緒に行ってくれないので、ソロで使っています。
またサバティカルのテントの中で、随一の展開力と豊富な張り方のバリエーションを持つので、気候や天気、キャンパーの工夫次第で様々な表情を見せてくれるところも大きな魅力ですよね。
このSKYPILOT TC(スカイパイロット TC)は、サバティカルのテントのフラグシップモデルとして大人気なんですが、2023年に新しい仲間が増えたんです。
それがSKYPILOT Synthetic(スカイパイロット シンセティック)です。
SKYPILOT(スカイパイロット)の名を持つ、このSynthetic(シンセティック)とは、どんなテントなのでしょうか?
SKYPILOT TC(スカイパイロット TC)とはどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、SKYPILOT Syntheticについて詳しく掘り下げて、SKYPILOT TC(スカイパイロット TC)との違いなど、何が変わって何が変わっていないか等を紹介したいと思います。
※文中では、区別しやすいように、なるべくSKYPILOT TCをカタカナでスカイパイロット TC、SKYPILOT Synthetic(スカイパイロット シンセティック)はそのまま英語表記でSKYPILOT Syntheticと表記しています。
目次
SABBATICAL( サバティカル )のSKYPILOT TC(スカイパイロット TC)を詳しく紹介!
出典:SABBATICAL
SABBATICAL( サバティカル )とは、A&Fが展開する独自ブランド。
このブランドの中でも特に人気があり、キャンパーの間でも大きな話題となったのが、SKYPILOT TC(スカイパイロット TC)という大型テントです。
サバティカルのテントのフラグシップモデルであるスカイパイロット TCを、公式サイトや実際に使用している写真を見てもらえば一目瞭然。
そのフォルムが美しすぎる!
さらにSスカイパイロット TCは省スペース設計のテントでありながら、テントにおけるデッドスペースを徹底的に解消して大人数を収容できる居住空間を確保しているんです。
スカイパイロット TCがゆったり過ごせるシェルターとして、使いやすいテントとして有名になったのはこのためではないでしょうか。
また、別売りのインナーテントを取り付ければ、4人家族のファミリーキャンパーさん用のツールームテントとしても使えるのが、さらに良いところ。
大型のシェルターとして見てみると、一見ツーポールなのかな?と思ってしまいそうなサイズ感なんですが、実はワンポールシェルター。
複雑な多面体をしているので、ワンポールに見えないのも魅力かもしれません。
でも基本はワンポールを4本のピラミッドラインで支えるという構造をしており、風にも強いんです。
多面体で複雑そうに見えますが、設営工程が少ないので組み立て作業が早くて簡単なのも、個人的には最大の魅力の1つだと感じています。
また、このテントの特徴として、豊富にアレンジできる張り方のバリエーションにもあるでしょう。
フロントウォールやサイドウォールを開いたり巻き上げたり、ポールを使って跳ね上げて張ったりと、色々とアレンジできるんです。
このアレンジの仕方は、公式サイトや説明書があるわけではないので、使う人のアイデアと工夫、想像力次第。
気候や天候に合わせてと様々な張り方で楽しませてくれるので、各SNSのタグは今も賑わいを見せています。
アレンジは無限大。アイデア次第でさまざまに可変していくスタイルを楽しめます。
しかもスカイパイロット TCは名前にTCと入っているように、使用されているのは人気の高いTC素材。
コットンとポリエステルの混紡素材であるTC素材は手触りがよく、通気性・遮光性・透湿性にも優れているため、テントの居住空間として気持ちよくすごせる素材なんです。
ある程度の雨なら防ぐこともできるし、何よりも火の粉に強い。
キャンプでまだまだ人気の高い薪ストーブや焚き火をするなら、テントやタープはコットンやTC素材がおすすめ。
だからこそ、スカイパイロットTCはますます人気を高めたのかもしれません。
SKYPILOT Synthetic(シンセティック)とは?
出典:SABBATICAL
それではSKYPILOT Synthetic(シンセティック)とはどんなテントなのでしょう?
簡単に説明すれば、スカイパイロット TCのポリエステル版。
使用している素材が、TC素材からポリエステルに変更されているSKYPILOT(スカイパイロット)なんです。
なので、その美しいディティールは、2019年に登場したスカイパイロット TCそのまま。
詳しいサイズ比較、スペックなどについては次の項目で詳しく紹介したいと思います。
重くなりがちなTC素材に比べポリエステル素材は軽量なので、SKYPILOT Syntheticは収納時軽量かつコンパクト。
しかも化学繊維ならではの高い防水仕様で、メンテナンスも楽です。
元々スカイパイロットは設営しやすいテントなので、ポリエステル素材を使用したことによる軽量化はさらなる手軽さを生み出すこととなっています。
またこのモデルに使用されている付属品にも違いがあるので、そこについても次の項目でチェックしていきます。
SKYPILOT TCとSKYPILOT Syntheticを比較してみた
①展開・収納時のサイズ
出典:SABBATICAL
展開時のサイズはスカイパイロット TC・SKYPILOT SyntheticともにW720×D380×H270cmと変わりません。
どちらを選んでも、テント内はデッドスペースの少ない広々とした空間となります。
ただし収納時のサイズは、スカイパイロット TCがL82×W39×H29cm、SKYPILOT SyntheticがL80×W35×H29cmと差が出ています。
この差ができたのは使用している素材が原因。
SKYPILOT Syntheticに使用されているポリエステル素材(150Dポリエステルオックス)は、TC素材(コットン/ポリエステル混紡素材)よりも薄手だからです。
②重さ
出典:SABBATICAL
素材の差は重さにも顕著に表れていて、スカイパイロット TCの総重量は22.4kg(内ポール5.6㎏、ペグ2.1㎏)、SKYPILOT Synthetic(シンセティック)は総重量13.9kg(内ポール3.3㎏、ペグ360g)となっています。
半分とまではいかないまでも、SKYPILOT Syntheticが相当軽くなっていることは一目瞭然ですよね。
またポールやペグの重さも変わっているのですが、それも素材が変わっているからです。
スカイパイロット TCに使用されているポールやペグはスチール製。
出典:SABBATICAL
一方、SKYPILOT Synthetic(シンセティック)に使用されているポールは、アルミ合金(A6061)製、ペグはジュラルミン製です。
アルミ合金は強度があり、腐食にも強い素材でしかも軽量。
SKYPILOT Syntheticの軽量性は、ポリエステルだけでなく付属パーツの軽量化によるものでもあるんです。
なお、SKYPILOT Syntheticに使用されるセンターポールのサイズはΦ32mm・全長270cm。
サブポールのサイズはΦ22mm・全長180cmとなります。
スカイパイロット TCのセンターポールもまた、Φ32mm・全長270cm。
サブポールはΦ22mm・全長180cmとなり、こちらも全く同じサイズです。
③機能性
※スカイパイロットTC
機能性において、テントのウォールに使用する素材を変更したことにより、ちょっとした違いが出ているのでこちらも紹介しておきたいと思います。
まず説明しておきたいのは、TC素材の防水性と耐水圧について。
皆さんご存知かもしれませんが、TC素材(コットンとポリエステル混紡素材)は雨に濡れると膨張するという特徴を持ちます。
このコットン繊維の膨張により、TC素材のテントは雨の侵入を防ぐという仕組みになっているので、ポリエステルといった化学繊維のように雨への強度を示す指針となる「耐水圧」を数値として表すことが難しいんです。
使用しているTC素材には撥水加工が施されていて、素材の特性上雨の侵入はある程度防ぐことはできます。
ですが同じく素材の特性上シーム処理はできません。縫い目など部分的に、雨の侵入を許してしまうこともあるということを念頭において使用しましょう。
ちなみに、マッドスカートとトップキャップは210Dポリエステル製となっています。
また、TC素材は透湿性、通気性・遮光性が高い素材でもあるので夏は特におすすめです。
さらにTC素材は火の粉にも強い素材なので、焚き火や薪ストーブを使いたい人にはオールシーズン使える素材のテントとなります。
ただメーカーはテント内の火気の使用を禁止しているので、一酸化炭素中毒には気をつけて、くれぐれも自己責任でお使いください。
出典:SABBATICAL ※Synthetic(シンセティック)
一方、ポリエステル素材のSKYPILOT Synthetic(シンセティック)ですが、表面にはフッ素加工を施して撥水加工を施し、裏面にポリウレタン加工(PU加工)を施し、縫い目にはシームテープ加工を施すことで防水性を高めた、水に強いテントとなっています。
耐水圧3,000mmという高い耐水圧も頷けますね。
吸水性が低く、布地が濡れにくいので雨が降っても重さも出にくいですし、なによりもメンテナンスが簡単なのは良いところ。
PU加工には遮光性を高める効果もあって、UV加工もしてあるので紫外線対策もばっちりです。
④カラー
スカイパイロット TCはライトベージュ、SKYPILOT Syntheticはサンドストーン。
どちらも明るいトーンのベージュ、アースカラーになっています。
並べてみるとスカイパイロット TCの方が明るい色合いになっていますね。
ただ、SKYPILOT Syntheticのサンドストーンは同ブランドの別テント「アルニカ」や「ギリア」と同じカラーとなっているので、色を合わせて使いたい、なんて人もいるかもしれません。
気になる人はチェックしてみてください。
⑤価格
最後にチェックしておきたいポイントがあります。
そう、価格です。
スカイパイロット TCは税込価格99,800円、SKYPILOT Syntheticは税込106,700円。
6,900円もの差が生まれたのは、おそらくSKYPILOT Syntheticの付属品であるポールがアルミ合金製になり、ペグがジュラルミン製になったからではないでしょうか。
比較表
商品名 | SKYPILOT TC | SKYPILOT Synthetic |
---|---|---|
サイズ | W720×D380×H270cm | W720×D380×H270cm |
収納サイズ | L82×W39×H29cm | L80×W35×H29cm |
総重量 | 22.4kg(内ポール5.6㎏、ペグ2.1㎏) | 13.9kg(内ポール3.3㎏、ペグ360g) |
素材 | TC素材 | ポリエステル素材 |
ポール素材 | スチール製 | アルミ合金(A6061)製 |
結局どっちがおすすめ?
SKYPILOT TC(スカイパイロットTC)とSKYPILOT Synthetic(スカイパイロット シンセティック)。
デザイン、見た目、使い勝手はほとんど同じ。
ここまでくるとどっちの素材が好みかだとか、お手入れのしやすさ、自分のしたいキャンプスタイルに合っている方、使いやすさや相性で選ぶのがおすすめですし、重量で選ぶのもよいでしょう。
価格も6,900円差ありますが、10万円クラスの買い物となるのでそこまで大きな差とは感じない人の方が多いかもしれません。
SKYPILOTというテントが好き、綺麗、欲しいと思っている人なら、どちらを購入しても十分以上に満足できると思いますよ。
ちなみに個人的には、ポリエステル素材の結露が気になるから、重たいけど現状のSKYPILOT TC(スカイパイロットTC)で満足です。
商品名 | SKYPILOT TC | SKYPILOT Synthetic |
---|---|---|
重量 | 重たい | TCより軽い |
結露 | 少ない | 多い |
火の粉 | 強い | 弱い |
雨 | 化織より弱い | 強い |
価格 | 以前より値上がりした | TCより高い |
まとめ
SKYPILOT TC(スカイパイロットTC)は、アウトドアブランドSABBATICAL( サバティカル )のフラグシップモデルです。
その名の通りTC素材を使用したワンポールテントなのですが、その形はワンポールテントとは思えない多面体をしており、内部も極限までデッドスペースを排除した広々とした空間となっています。
そのため別売りのインナーテントを買えば、4人家族のファミリーキャンプにツールームテントとしてもよく、小型のテントを入れてカンガルースタイルにしても良く、広い使い心地の良さで人気を集めました。
また、このテントは張り方のバリエーションも豊富で、SABBATICALのテント随一のアレンジ力も持ちます。
このアレンジ力の幅広さも、スカイパイロット TCを大人気テントにした要因の1つでしょう。
そして2019年に登場したスカイパイロット TCに、2023年に新しい仲間が増えました。
それがSKYPILOT Synthetic(スカイパイロット シンセティック)です。
その美しい佇まいや完成された機能性や居住性の高さはそのままに、素材にポリエステルを使用したことで耐水性を高め、お手入れのしやすさがアップしています。
TC素材の弱点であった重さも克服しました。
スカイパイロット TCでも決して扱いにくいテントではないのですが、SKYPILOT Syntheticはある意味それ以上。
TC素材によるデメリットを感じてスカイパイロットを諦めていたのなら、SKYPILOT Syntheticは買いのテントです。
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アイキャッチ画像 出典:SABBATICAL