キャンプで何気に必要なのは、ペグケース。
テントに付属しているペグなら、専用の収納袋が付いていたりしますが、別途自分でペグを購入するとなると、それを収納していおくペグケースが必要になります。
僕は、基本的にはすべてのペグをエリッゼステークやソリッドステークなどの鍛造ペグに変えて使っていて、ペグがテントに付属していたとしても、それは全く使っていません。
鍛造ペグは、頑丈で強固なペグなんですが、それ1本がかなり重たい。
ちょっとやそっとのペグケースでは、その重さに耐えきれないなんてこともあるんです。
布製のペグケースでは、もちろん柔らかいので、中に鍛造ペグを収納しても型崩れしてしまったりします。
ましてや、テントの設営などで20本以上の鍛造ペグを収納するとなると、持ち運ぶのも一苦労です。
ハードのペグケースでも、その複数本ある鍛造ペグの重さに耐えられないものもあり、やっぱり歪んだりしてしまいます。
なので数年使ったら買い替えるといった事にもなりかねません。
そんなこんなで僕も新しいペグケースを買ってみました。
それはゼインアーツのグラードステイクラック。
今回は、ペグケースとしてゼインアーツのグラードステイクラックをレビューしたいと思います。
ゼインアーツのグラートステイクだけではなく、エリッゼステークやソリッドステークも収納できるか試してみました。
ゼインアーツのペグケース「グラートステイクラック」をレビュー!
そもそもペグって1回のキャンプに何本必要?
一般的にソロ用のテントを設置するのに必要なペグは8本程度、ドームテントはその倍の16本程度と言われています。
僕が使っているサバティカルのスカイパイロットTCでも基本的には16本、あとはスカートが捲れないように留めたり、風が強い日には一箇所に2本打ったりする為に余分に数本持っています。
それに加えタープを設営するなら、その分ペグの本数も増えます。
タープを使用する場合は多いもので8本は必要、スクリーンタープの固定にも8本程度必要になります。
キャンプの人数が増えてテントが増えたり、テントやタープの種類によってはペグの本数や種類は増減します。
そんなこともあり、僕は鍛造ペグを25本前後常備しています。
悩ましいペグの運搬方法とケース問題
丈夫な袋にペグを突っ込んで運搬している人もいるようですが、ビニールやナイロンなどの袋では破れて一緒に運んでいるキャンプギアを傷つけてしまったり、怪我をしてしまうこともあるかも知れません。
運搬中にペグ同士がぶつかり合って、ガチャガチャ音が鳴るのも気になるところです。
子供を含めたファミリーキャンプの場合なら、なおさら子どもが簡単に触れないようにしておきたいものですよね。
ケースに入れていた方がペグを使用する時に、さっと取り出して使用することができるし管理も簡単です。
見た目で本数が確認しやすくなるのも大きなメリットで、ペグの置き忘れや紛失も防ぐことができます。
ペグケースにはどんなものがある?
ペグケースには大きく分けて2種類あります。
厚手で丈夫な生地で作られたソフトタイプは、軽量で扱いも簡単。
運搬中ペグが当たってうるさくもないですし、安くて丈夫なところもおすすめポイントです。
袋状になったものやツールケースやバッグのような形になった箱型のもの、珍しい物ではペグやペグハンマーを設置してくるくる巻いて収納するロールタイプのものや、サコッシュなどのように体に装着して使用できるものもあります。
使用しない時は小さく畳めるのも嬉しいポイントです。
袋状のケースだと、無造作にポイポイ入れられてしまうお手軽さが逆に難点になってしまうこともあって、ペグの本数を数えて確認しておかないと紛失に気付かないことがあるかも知れません。
出典:楽天
無骨系キャンパーを目指したいなら、男っぽさ満載のハードなスチールケースがおすすめです。
金属製で丈夫なのである程度無造作に扱っても大丈夫ですし、スチール製ならケースにペグを入れたまま水洗いしちゃってもOKです。
しかし細かな管理は苦手なケースであり、運搬中うるさいのも気になります。
スチールケースは運搬中傷がついたりへこんでしまうことも多いので、そいった経年劣化や使用中の傷やへこみに愛着を持てる人であるのが大前提。
工具を入れる多目的ツールボックスをペグケースとして愛用している人もいるようです。
運搬中の音が気になるようなら、少しソフトよりのペグケースもあります。
表面は、ポリエステル素材だったり帆布を使っていますが、内側に樹脂板が入っていて、強度が高くなっているタイプのものです。
スチール製と同様に無造作にペグを収納するのですが、ペグ同士がぶつかあった音は防げませんが、ケース本体に当たった時の音は抑えられます。
ゼインアーツのペグケース グラートステイクラックがおすすめ
ソフトタイプでもハードタイプでも、無造作にペグを入れられるものは扱いやすいですが、ペグの本数などの管理についてはちょっぴり苦手。
沢山入った方いいし、できればペグハンマーなども一緒に入れて一緒に管理したほうが、作業も楽になります。
そして丈夫で軽くて、カッコいいものがいい。
そこで目をつけたのが、去年11月に発売されたゼインアーツの「グラートステイクラック」なんです。
グラートステイクラックのサイズ感
グラートステイクラックを購入しようと思った時にちょっと気になったのが、サイズと形状です。
今使っているペグケースの形状は横長で、車の荷台にコンパクトなテーブルを置いてその下の隙間に入れて持ち運んでいます。
しかし形状はグラートステイクラックは縦に長い形状をしています。
横に寝かせて置くこともできますが、それでも少し高さがでてしまうんです。
グラートステイクラックのサイズは、220×195×345(h)mmで背が高く、今使っているANOBAのマルチギアボックスSが420×160×145(h)mmで横長です。
サイズ感的には背が高いグラートステイクラックの方が存在感があり大きく見えますよね。
横置きでも
グラートステイクラックは縦置きで使うペグケースですが、持ち運ぶ時には横に倒すこともできます。
縦置きの時は本体上部のハンドルで持ち運べます。
実は本体底面にもハンドルが配置されていて、横に倒した時はそこを持つことで用意に持ち運ぶことができるんです。
これなら持ち運ぶ時も楽だし、運搬時も縦置きのスペースがない時に丁度いいスペースに置くことが出来るかも知れません。
横置きにすることで、振動で発生するペグどうしがぶつかる音が抑えられるようです。
そんな効果もあるのなら、運搬時は無理して縦置きにする必要はなさそうです。
接触音の抑制
グラートステイクラックを使う時には、まずは上部にあるハンドルのベルクロを剥がしてます。
左右のハンドルが固定されたままだと、フタを全開にすることができないからです。
フタにある紐を上に引いてファスナーを開けます。
フタの先端は、本体とベルクロで留められているので、それも剥がすと内側にアクセス出来るようになります。
フタを開けると、内側に四角いパッドが付いているのが目に留まると思います。
このパットは、運搬時にペグが飛び出してしまうのを防ぐためにあるようです。
手で押してみるとクッション性が高く、ペグが当たっても、余程のことがない限り大丈夫そう。
飛び出し防止とともに、ペグ同士がぶつかり合う接触音も防いでくれそうです。
そしてこのパッドは、もう1つ付属していてました。
もう1つのパッドは薄めになっていて、ペグのヘッドの長さによってフタ部分に付いているパッドに重ねて使うようです。
でも使用しない時には、ペグの列と列の間に入れたり、本体のラック内部の仕切りにハンマーを収納した時などにも、もう1つのパッドを入れるスペースがあれば接触音を防止出来ると思います。
僕が使っているソリッドステーク30とエリッゼステーク28では、ペグのヘッドの長さが違います。
ソリッドステークの方がペグのヘッドが長いので、フタに厚いパットがあるとファスナーを閉めた時に少し歪な形になってしまいました。
ソリッドステークを収納するのなら、フタに配置されているパッドは薄い方に取り替えるのが良さそうです。
グラートステイクラックの特徴
収納力
出典:ゼインアーツ
ゼインアーツのグラートステイクラックの特徴は、その収納力です。
とは言っても、他社のペグケースがどれ程の収納力がある分からないし、それぞれに差はあります。
僕が現在使っているANOBAのマルチギアボックSも、収納力という面ではかなりあると思います。
しかし、その収納ケースを満タンにする量のペグを持ち合わせていないので、実際何本入るかは不明です。
以前レビューしたテントファクトリーのポリエステル製のペグケースでは、30cmのペグが18本とハンマー1本。
YOGOTOのペグケースでは、40cmのペグが20本、または20cmのペグ40本とハンマー1本と記載されていました。
30cmのペグで考えたら40cmのペグと同じで20本です。
グラートステイクラックでは、ペグを引っ掛けるフレームが3本あり、そこにゼインアーツの28cmの鍛造ペグ(グラートステイク)をフレーム1本当たり16本掛けることができるようです。
3本のフレーム全部使えば、グラートステイク28が48本掛けることができるということになります。
上の写真では、グラートステイク28が32本とグラートステイク18が20本入っている様子です。
グラートステイク18の方が細いので、フレーム1本に掛けられる本数が多くなっています。
また、ゼインアーツのグラートステイクではなくても、他社のエリッゼステークやソリッドステークでも使用可能ですが、ペグのヘッド部分の厚みなどで掛けられる本数に違いは出ると思います。
実際に僕の使用しているエリッゼステーク28やソリッドステーク30を、グラートステイクラックに移動してみました。
エリッゼステーク28とソリッドステーク30で合わせて約25本を、1本ずつ丁寧に掛けていきました。
1本のフレームにグラートステイク28を16本かけることができますが、バランスを取って1本12〜13本にしました。
少し余裕がある感じです。(エリッゼステーク28とソリッドステーク30はヘッドの幅があり16本掛けることができないと思います)
一番右にペグと分けて収納できるように、ラック内部に仕切りが付いていて、そこに付属のリフターとペグハンマーを2本収納しておきました。
仕切りはハンマーの高さによって2段階に調節ができるのが嬉しいポイントです。
ただ、ゼインアーツのマニュアルには、ペグは全て同じメーカーで揃えてくださいと記載があります。
多分これは、穴の位置を揃えるためだと思いますが、ソリッドステーク28とエリッゼステーク30では、そこまで大きく位置がズレているようには見えません。
リフター
グラートステイクラックの特徴の1つに、リフターを使ってペグを必要な本数だけラックから引き抜いて持ち歩けるということがあります。
フレームに一列に整頓されて掛かっているペグの穴に、付属のリフターを通すことで、いっぺんに(必要本数だけ)持ち上げることができるんです。
ペグを必要な本数だけ持ち歩くことができれば、ペグ打ち作業が格段に楽になりますよね。
そのリフターをスムーズに通すためには、ペグの穴位置を揃える必要があります。
全て同じメーカーのペグで揃えているなら、穴の位置はほとんど同じだと思います。
しかし他メーカーのペグがあると、ちょっと手こずってしまうこともあるかも知れません。
僕の所有しているペグでは、エリッゼステーク28とソリッドステーク30の2種類があり、注意を払って並べなければ混在してしまいます。
実際に、ペグをフレームに掛け終わった時には多少は揃えてありましたが、やっぱり2種類が混ざっていました。
それでもリフターを通すことができたので、全て同じメーカーのペグで揃えるというのは絶対という感じではないと思います。
他のメーカーが混ざっていると「ちょっとやり難いよ」といった感じではないでしょうか?
または、先述したようにヘッドの長さによって、パッドの当たりが大きくフタが歪んでしまうことも考慮されているのかも知れません。
ちなみに穴を覗いてみると、エリッゼステーク28とソリッドステーク30では、位置はほぼ同じでした。
しかし、全く穴の位置が違う他メーカーのペグも中にはあるかも知れません。
この辺りは、使っていきながら自分で調整していくのが良いと思います。
フレームに一列に整列させて収納できること、またはリフターでまとめて取り出せることで、これまでのペグケースの悩みの種であった「本数管理」と「取り出しにくさ」を、グラートステイクラックでは解消できています。
リフターって実際どうなの
リフターを使って、フレーム一列に掛かっているペグをいっぺんに持ち運んでペグ打ちをするという作業。
これを聞くと、いちいちペグケースまでペグを取りに戻る回数が減るので、とても便利そうですよね。
グラートステイク28なら、一度に16本のペグを持ち歩くことができるので、ドームテント等ならそれで全て事足りてしまう事になります。
しかし、実際にやってみると、使用したのが鍛造ペグということもあって、リフターが重たい(笑)
13本の鍛造ペグは、持ち運ぶのに少々重量がかさんでしまいます。
それなら数本だけリフターで持ち運んでみると、たしかに重量は軽くなりました。
しかし今度は、ペグを打つ時に両手にはハンマーとペグ1本を持つので、リフターは地面に置くことになります。
ペグの向きを揃えて地面に置くという気遣い、ペグを打ち終わった時にリフターを持ち上げるいう動作が、ちょっと面倒。
使い方は違うかも知れませんが、ペグ打ちする各所にリフターで持ち運んだペグをあらかじめ置いてきちゃうのが一番ラクなんではないかと思いました。
ただ僕が面倒だと思っただけで、人によっては全くそう感じない人も多くいると思います。
まだ使い方に慣れていないという事もあるかも知れないですが、僕的にはリフターの使い方をちょっと考える必要がありそうです。
そうはいっても、リフターでペグをまとめて取り出せるのは、他のペグケースにはないメリットだと思います。
グラートステイクラックの注意点とは
改めてグラートステイクラックの注意点を。
グラートステイクラックは、グラートステイク以外の商品も対応はしていますが、グラートステイクラックは中身のペグとケースのメーカーを揃えての使用が前提とされていることに注意が必要です。
基本的に20cm、30cmの鍛造ペグであればほとんどのメーカーのものが使用できると公式サイトにもありますが、ф7mm以下の穴がないもの、引っ掛け部分から長さが27cm以上のもの、ストレートでないもの、幅が5mm以下のもの、フックがないものに関しては利用することができません。
購入前には、手持ちのペグをチェックしておくと良いと思います。
ちなみに、今回僕が使ったスノーピークのソリッドステーク30、村の鍛冶屋のエリッゼステーク28cmは使うことができました。
そして2つのメーカーの鍛造ペグを混在しても大丈夫そうでした。
ただ、ソリッドステークはヘッド部分が長いので、厚みのある方のパッドを使うと、フタを閉めた時に歪になってしまいます。
薄い方のパッドに変更することで歪さは軽減されますが、違うメーカーのペグと混在させたりすると、ペグ同士がぶつかり合う接触音は発生してしまうかも知れません。
グラートステイクラック スペック
- サイズ:220×195×345(h)mm。
- 重量:約1.9kg
- 素材・本体:600Dポリエステル・PVCコーティング
- 素材・フレーム、リフター:スチール
まとめ
ペグ打ち作業をより楽にするには、ぽいぽいっとペグを投げ入れてしまえるような大雑把さが必要です。
しかし、それでは単なるぶっきら棒。
傍から見たらキャンプ愛に溢れているようには見えませんよね。
キャンプの基本アイテムのペグ。
これを、しっかりと整理整頓と管理できているのが、やっぱり好ましいと思います。
ケースの中で同じ方向に収納されしっかり整理整頓されたペグは、見ていて美しい。
また、取り出しやすければ取り出しやすいほど、ストレスを感じにくくなりますよね。
昨年11月にゼインアーツより登場したグラートステイクラックは、本数が確認しやすい形で収納することができ、ペグの管理と整理整頓がしやすいと評判です。
ケース内部のフレームにペグを同じ方向に掛けることで収納でき、それをリフターで1列ごとに引き抜き持ち歩くことができます。
1度に16本のペグ(グラートステイク28の場合)を持ち運べるのなら、テントの設営時に必要なペグを全てと言っていいくらい持ち運ぶことができます。
しかし、実際にそれが使いやすいかどうかは、人によって感じ方は違うかも知れません。
今回のレビューで使ってみた感じでは、リフターでまとめて取り出せるのは良かったのですが、それを持ち運んで使うことには僕的にはちょっと飲み込めない部分もありました。
グラートステイクラック内には、ペグハンマーとリフターを納められるスペースがあり、ペグ関連のグッズが1つのケースで完結するのは良いところでした。
ハンマーがペグで汚れないというのが、評価できると思います。
車での運搬では横に倒して運ぶことで、ペグ同士の接触音が抑えられるのもポイントが高いです。
色々と言ってきましたが、何よりもカッコいいというのが、おすすめできるポイントです。
在庫があるショップは、SUNDAYMOUNTAIN、マイクスオンラインストアがありました(2022.2.6現在)
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