ソロキャンプと言えば、特に不便さを楽しむ事に重きを置いている人が多いキャンプスタイルです。
ブッシュクラフトのように自然のものを自分で収集して加工し取り入れたり、敢えて便利な道具を使わないなど制約を課して、その状況を楽しんだりします。
しかし、ソロキャンプをしていても、不便な事はしたくない人もいるだろうし、より快適に過ごしたいと考えている人も多いと思います。
キャンプをより快適に過ごすのには、やっぱり電化製品を取り入れる事。
電気で動くこれらの道具は、大自然の過酷な状況下にいる人を助け、不便さを解消してくれるです。
でもそれら便利な電化製品を使う為には、電気がないとどうしようもありません。
高規格のキャンプ場なら全てのサイトに電源が付いていたりもしますが、キャンプ場全体が綺麗に整いすぎていてちょっと求めているものと違う。
そもそもキャンプ人気で、電源付きサイトの予約が取れないなんて事も最近では多いと思います。
そこで役に立つのがポータブル電源。
ポータブル電源があれば、電源付きサイトじゃなくても電化製品を使う事ができます。
とは言え、このポータブル電源、決して安くはないんです。
無理してまで買う必要はあるのか、今回はソロキャンプでポータブル電源って役に立つのか、また必要はあるのか考えてみたいと思います。
こちらの記事は「あっちゃんの時々ソロキャン」で2022.8.13に公開した記事を引っ越しして一部修正したものです。
目次
ソロキャンプにポータブル電源は必要?
何を使うか使用目的を明確に
ソロキャンプと言っても、不便さを楽しむ人もいれば、のんびり快適に過ごしたいという人もいると思います。
不便を楽しむキャンプスタイルの方でも、全く電化製品を使わないという人もいれば、ノートパソコンやカメラなどは使う方もいます。
それらのバッテリーが切れてしまった時に、充電する為のポータブル電源があった方が良いですよね。
快適に過ごしたいという人は、環境を過ごしやすくしたいという目的があると思います。
暑い時は涼しくして過ごしたい、寒い時は温まりたいと、少しでも過ごしやすい環境にする為に電化製品に頼る必要があるんです。
例えば、モバイル機器やカメラの充電の為だけにポータブル電源が必要なら、バッテリー容量が少なく値段があまり高くない物でも大丈夫。
1万円〜2万円ぐらいのポータブル電源で目的は果たせるはず。
しかし「涼を取りたい」「暖を取りたい」と考えると、1泊2日のキャンプなら、その間ずっと使い続けられるバッテリー容量のポータブル電源である必要があります。
そうなると、それを満たすポータブル電源はかなり高額になってしまいます。
使用する電化製品の消費電力によっても変わってきますが、1泊2日のキャンプ中使い続けられるぐらいの容量のポータブル電源が1,000Whぐらいの容量だとすると、10万円前後の値段になってしまうと思います。
メーカーにより値段は前後しますが、だいたいどの商品もこれに近い価格帯にあります。
1泊2日の真夜中から朝にかけて、何とかギリギリ使えるかなというのが700Whぐらいの容量。
これだと8万円前後の価格帯かなと思われます。
果たして、この高額なお金を支払ってまでポータブル電源は必要なのか考えてしまいますよね。
※ポータブル電源は使用するときに、一般的には約20%の損失があるとされています。
1,000Whのポータブル電源で実際に使用できるのは1,000Whの80%(1,000Wh×0.8=800Wh)という目安。
扇風機や電気毛布が約50Wだとすると、1,000Whのポータブル電源では(1,000Wh×0.8)÷50=16となりおおよそ16時間使えるとなります。
しかしこれは、機種によって損失が違ったり、気温や使用状況によって大きく変化するので、あくまで目安ということです。
電化製品は1つ?
ソロキャンプなら、ポータブル電源1台あれば、それを1人で独占して使う事ができます。
これがファミキャンだったら繋げる電化製品の数が増えるので、それだけ電力を消費する事になってしい、結果ポータブル電源1台では足りないとなってしまいます。
それを考えるとソロキャンプでは、ポータブル電源を1人で使えるので幸せですよね。
ただポータブル電源の容量を考えると、季節家電を使う場合には、それだけの為にポータブル電源を使うのが良いと思います。
例えば扇風機なら、ポータブル電源に繋げるのはそれ1台。他にiPhoneの充電もパソコンの充電も、カメラの充電も・・・と考えていると、バッテリーの残量がどんどん減っていってしまいます。
例えば扇風機がACモーターの場合、多くみて45Wの消費電力。機種によっては45Wより低いものがありますが、今回は45Wで考えてみます。
もし昼12時のチェックインから翌日の11時のチェックアウト時間まで使いたいなら、23時間使える分だけのバッテリー容量が必要でになります。
暑い夏キャンプでは、寝ている時も扇風機を回したいし、帰りの撤収作業でも汗をかいてしまうので、ギリギリまで使いたいですよね。
しかも屋外で扇風機やサーキュレーターを使うと、自然の風に負けて自分のところまで風が届かない時があります。
その為、使うモードは強モード。
それより低いモードで使えれば、連続使用時間も長くなりますが、念のために強モードで使った事を考えておきます。
強モードで消費電力が45Wの扇風機を23時間使えるバッテリー容量だと、1293.75Wh以上ある必要があります。
1293Whという中途半端な容量のポータブル電源はないので、1,500Whの容量のポータブル電源なら消費電力45Wの扇風機を26時間使えます。
※((1,500Wh×0.8)÷45=約26.67時間)
1,500Whのポータブル電源って、1台で15万円とかそれ以上の値段になってしまうと思います。
今回は消費電力を多めに見積もって、23時間強モードでと考えたので、実際には消費電力はもう少し低いだろうし、常に強モードで使う事もないかも知れません。
それこそソロキャンプなら自分の近くに扇風機を置けるので、強モードでなくても涼を取れるかも知れません。
なので実際には、もう少し長く使えると思います。
また扇風機がACモーターではなくDCモーターなら、消費電力が21Wぐらいなので、700Whぐらいの容量のポータブル電源で足りる事になります。
700Whの容量のポータブル電源だと、8万円前後の価格帯。
これなら、少し希望が見えてきませんか?
これらはあくまでソロキャンプだから、1台で済む事。
1台のポータブル電源に1台の扇風機を繋げてこのような感じなので、扇風機や他の電化製品を複数台繋げたら、なかなかキツい物があります。
ソロキャンプに必要?
僕の場合は、夏の暑さに弱いです。
汗をかくのが1番の大敵で、人並み以上に沸点が低く汗が吹き出てしまうので、なるべく涼しく過ごしたいです。
しかもソロキャンプで快適に過ごしたい事もあるので、扇風機が使えなければキャンプには行かない方が幸せなのかも知れません。
なので夏キャンプには、ポータブル電源は必要。
寒さの方が暑さよりは得意ですが、それでも凍えるような寒さはあまり体験したくありません。
厚着をしてダウンジャケットまで着込んで、足元には湯たんぽポケットにはホッカイロ、ニット帽とフードを被ってシェラフに包まっても震えがくるほど寒いなんて、想像するだけで嫌ですよね。
例えば電気毛布を1枚下に敷き強モードにします。そこにシェラフの中に入って寝るとかなり温かく、時にはシェラフをはいでしまう方暑くなる事もあります。
ダブルサイズの電気毛布なら、それに包まれるようにして寝ると下からと上からも暑くなり、寒い日でも熟睡する事ができます。
電気毛布が無くて我慢できるかと言えば、一度快適な経験をしてしまったから、今では冬キャンプには絶対に必要なアイテムになっていて、それが無くては我慢できません。
もちろん寒さを我慢できればポータブル電源は必要ありませんが、なるべく快適に寝たいとお考えならポータブル電源は必要です。
もちろんそれがソロキャンプだからとかのスタイル的な事は関係なく、1人だからこそ何かあったら困るので、その対策の為にもポータブル電源は欲しいところです。
秋キャンプや春キャンプなら
比較的過ごしやすい秋口や春キャンプなら、涼を取る事も暖を取る事も少なく済みます。
1泊2日のキャンプ中ずっと扇風機を使い続ける必要はないので、ポータブル電源の容量は全てを使い切る事も少なくなると思います。
そんな時なら、他の電化製品を使っても大丈夫。
コーヒーメーカーや電気ポットは、消費電力が大きいです。
ポータブル電源にはそれぞれ定格出力があり、使える電化製品のワット数が決められているんです。
これは容量に比例していて、容量が少ないポータブル電源だと、定格出力が低くなっています。
コーヒーメーカーや電気ポットの消費電力が1,000Wあったとしたら、定格出力がそれ以上あるポータブル電源でなければ使えません。
そうなるとだいたい1,000Whの容量以上のポータブル電源になってしまいます。
もしポータブル電源の残量に余裕があり、他の電化製品を使いたいと考えた時には、ポータブル電源の定格出力、電化製品の消費電力、そしてそれをどれだけの時間使うのか考えておきましょう。
個人的には無理して使う事はなく、スマホなどの充電に充てた方が良いと思います。
もし扇風機や電気毛布などの季節家電を使わない心地よい気候の時なら、重たいポータブル電源をむりして持って行くことはないと思います。
まとめ
ソロキャンプでも暑い時には暑い、寒い時には寒いと、当たり前のように自然環境の影響を受けてしまいます。
それを少しでも改善する為に、ポータブル電源があれば良いと思います。
ソロキャンプだから不便なのが良いと我慢する事はなく、むしろ脱水症状や風邪をひくなど体調管理的にも、ポータブル電源を使って対策をした方が良いと思います。
そしてソロキャンプだからこそ、ポータブル電源を独占し有意義に使えるというポイントもあります。
ポータブル電源は値段が高いので、人数分用意するのは大変です。
1人1台で使えれば、それに越したことはありませんが、なかなかそれも難しいですよね。
しかしソロキャンプなら、ポータブル電源を自分1人の為だけに使えます。
これってめちゃくちゃ贅沢なことですよね。
ただ容量が少ないポータブル電源では、あまり役に立ちません。
容量が多く、使いたい電化製品が1泊2日のキャンプ中に使い続けられる物でなくてはなりません。
そう考えると、必然的に値段が高くなってしまうのがあたまが痛いところ。
ソロキャンプでもポータブル電源は必要ですが、あくまで予算が許せばの話にはなってしまうと思います。
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