キャンプと言ったら焚き火!
今も昔も、キャンプ中の焚き火を愛してやまない人は多いと思います。
しかし、ここ数年のキャンプブームの影響か、直火での焚き火どころか焚き火そのものを禁止してしまうキャンプ場が増えています。
キャンプブームと共に軽くて持ち運びやすい便利な焚き火台が増えたこともあり、誰も彼もが焚き火を楽しんでいますが、直火禁止や焚き火禁止になる背景には、キャンパーのマナー違反やモラルの低下も大きく影響していると思います。
そこで今回はキャンプ場での焚き火のマナーについて再確認しつつ、環境にもよく便利な焚き火シートについても詳しく紹介したいと思います。
こちらの記事は「あっちゃんの時々ソロキャン」で2021.6.14に公開した記事を引っ越しして一部修正したものです。
目次
焚き火には難燃素材の焚き火シートを使おう!
直火での焚き火NGとは?
「焚火禁止」と書かれていれば、火を起こす行為をすべて禁止するという意味になりますが、直火NGと記載があった場合には、どのような状況を指すのか再確認してみましょう。
まず直火での焚き火とは、地面に直接薪や炭を置いて火おこしをする焚き火の事を言います。
その為、「直火NGとは焚き火台を使用するならOK」という意味になりますが、キャンプ場によってルールが違う場合があるので念の為に事前に調べておく方が良いかも知れません。
キャンプ場内でも焚き火禁止のエリア、焚き火をしても良いエリアが決まっている場合もあります。
直火の焚き火を禁止する3つの理由
①地面や自然を痛めてしまう
キャンプ場に芝が敷かれていたり草が生えている場合、直接薪を置いて焚き火をするのは絶対にやめてください。
焚き火の熱や火のダメージで、芝や植物を傷めつけてしまうからです。
一般常識的なマナーとしてありえないと思っていても、たまにキャンプ場で芝が焦げていたりするのを見かけることがあるので、マナーを理解してなかったり知らない人も少なからずいるんだと思います。
また、木のすぐ近くや根っこの上で直火での焚き火を行っているなんてケースもあります。
根がダメになってしまうと木が腐ってしまい伐採することになったり、最悪の場合倒木の危険も発生します。
それなら、むき出しの地面であれば良いのかといえばそうとも言い切れなくて、落ち葉を分解するバクテリアを焚き火が殺してしまうこともあるんだそうです。
以上の自然保護の観点からの理由から、焚き火を禁止しているキャンプ場もあります。
もちろん燃えやすい落ち葉の上での焚き火も危険なので、絶対にやめてください。
②火の不始末による危険性
焚き火を楽しんだ後の後始末は、必ず行うのが常識ですよね。
マナー的にというのはもちろんですが、燃えカスや火のついた薪や炭をきちんと処理せず放置したことが山火事やキャンプ場の小火につながってしまうこともあるからです。
この燃えカスが風などで飛ばされてまき散らされれば、周囲の利用者のみならずキャンプ場にも迷惑がかかってしまうし、何より危険なんです。
不完全な後始末をする利用者が増えてしまえば、焚き火そのものを禁止してしまうキャンプ場が増えていくのも当然だと思います。
③利用者のマナーそのものの問題
自然環境への配慮、火の不始末による安全意識の低さの他にも、利用者のマナー意識・・・モラルの低下もまた、問題視されています。
キャンプ場で使用しなかった(またはできなかった)薪の放置、中にはキャンプで出たごみを焚き火で燃やして帰ってしまうなんて人もいるそうです。
3つのポイント
①自然保護の観点から禁止
②火の不始末があり得る
③キャンパーのモラルの低下
焚き火のマナーを守ろう
では焚き火のマナーについて、再確認してみます。
まず、訪れるキャンプ場が焚き火OKなのかを、事前にチェックしておきます。
直火NGなら、場所次第、焚き火台を使用するなどで焚き火ができる場合もあります。
焚き火台を使用している時も、自然への影響が最小限で済むように、周りをよく確認してください。
焚き火台を使ったとしても、風にあおられてしまったり、火が強くなりすぎるなどで炭や薪、燃えカスなどが地面に落ちてしまうことがあります。
また、焚き火台を使っていても輻射熱で地面へ熱が伝わってしまい、ダメージを与えてしまうことがあります。
地面への配慮でテーブルの上などに焚き火台を設置した場合でも同様で、焚き火台から落ちた燃えカスがお気に入りのキャンプギアを傷つけてしまうこともあります。
そんな事を防ぐために便利なのが、焚き火用シートです。
焚き火シート、焚き火台シートとは?
焚き火シートまたは焚き火台シートとは、スパッタシートとも呼ばれる、焚き火をするときに焚き火台の下に敷くシートです。
焚き火が地面に与えるダメージを最小限に抑えられるよう、燃えにくい素材や耐熱性に優れた素材を使用しています。
濡れた毛布などでも代用することはできますが、焚き火シートの方がより燃えにくく手軽で使いやすいように作られていて、後片付けも楽になります。
しかし焚き火シートを使用していても完全に熱を防ぐことはできないので、シートの上に火のついた薪や炭を放置するのは絶対にやめるようにして下さい。
焚き火シートの素材とは
出典:楽天
焚き火シートの素材としてよく使われているのは、グラスファイバー(ガラス繊維)とカーボンフェルト(耐炎性フェルト)です。
グラスファイバーはガラスを溶かして作られた繊維で、不燃性と防火性が高い素材です。
表面の手触りはちくちくとしており、火花や燃えカスを付着させることができます。
この毛羽立ちをシリコンでコーティングした製品もあり、こちらの場合は火花や燃えカスをはじくように作られています。
一方カーボンフェルトは高密度で耐炎繊維を絡み合わせて作った不織布のことを言います。
ほつれにくいので好きなサイズにカットして使用することができます。
軽いのに厚みがあるので断熱性が高いのもおすすめポイントのひとつです。
焚き火シートを選ぶポイント
ポイント
①焦げにくさで選ぶ
②サイズで選ぶ
③設置時の安全性で選ぶ
④縫製に使用されている糸をチェック
⑤断熱性の高さで選ぶ
⑥連続使用時の耐熱温度に注目する
①焦げにくさで選ぶ
焚き火台から落ちた燃えカスなどですぐに変色、焦げ付いてしまってはちょっとがっかりですよね。
元々焚き火シートは濡れた毛布などより燃えにくく熱や焦げ付きにも強い素材ではありますが、焚き火シートは焦げにくいものを選ぶと良いと思います。
②サイズで選ぶ
焚き火台より小さなサイズ~同じくらいのサイズは使いにくいし、使用する意味がありません。
使用している焚き火台より大きめのサイズを選んでください。
1m四方もあれば、どんな焚き火台でも大体大丈夫だと思うし、冬に使用するストーブの下に敷くなんてこともできちゃいます。
③設置時の安全性で選ぶ
焚き火中にシートが風などでまくれるのはとても危険です。
四方にペグが打てたり、固定できるものだと安全だと思います。
④縫製に使用されている糸をチェック
意外に見落としがちなのが、縫製に使用されている糸。
シートが難燃素材でも糸が燃えたり焦げてしまっては長く使用することはできません。
難燃性の糸(アラミド繊維など)が使用されていると安心です。
⑤断熱性の高さで選ぶ
地面にダメージを与えるのは火も熱も同じこと。
焚き火シートの断熱性はあまり高くはありませんが、中でもカーボンフェルト製の厚みがあるシートなどは断熱性に優れています。
⑥連続使用時の耐熱温度に注目する
焚き火台の下で使用する焚き火シートには、火種に触れた瞬間の温度の耐熱性(瞬間使用温度)と連続使用時の耐熱性、2種類の温度設定があります。
中でも注目したいのが連続使用温度です。
焚き火の下で長時間熱に耐えることになるので、この温度はできるだけ高い方が安心です。
焚き火シート、焚き火台シートのおすすめ商品5選
1m×1m 焚き火シート STC1904TS01
出典:楽天
工業用耐火シートの専門メーカーが作った耐火性の高い焚き火シートです。
かなり大きめの1m四方のビッグサイズ。
耐熱作業温度(連続使用温度)は800℃、瞬間使用温度は1500℃とかなりの高温を耐えることができるので、焚き火だけでなく薪ストーブや溶接作業にも使用することができます。
使用しているのは厚さ0.85mmのガラス繊維。
とても丈夫なので何度も繰り返し使用することができます。
便利な収納袋付きです。
1m×1m 焚き火シート STC1904TS01 スペック
詳細
サイズ:1×1m
厚さ:0.85mm
連続使用温度:800℃
素材:ガラス繊維
ChillCamping チルキャンピング 焚き火シート(Lサイズ)
出典:楽天
カッコよさと機能性を兼ね揃えた、ChillCamping(チルキャンピング)の焚き火シートは、サイズが100cmの六角形の形をしています。
サイズはLの100cmとMの60cmで選べますが、個人的には灰が舞うことを考えると大きめがおすすめ。
さらに中央にイラストのタイプと縁にロゴのタイプで選ぶことができます。
黒い焚き火シートでしかも六角形というガレージブランドっぽい作りをしつつ、さらに機能性もあるんです。
ソロキャンプやおしゃれに決めたいキャンプにおすすめです。
ChillCamping 焚き火シート(Lサイズ) スペック
詳細
サイズ:100×100cm
主素材:シリコンコーティングガラス繊維
耐熱温度:600度
FIELDOOR 焚き火シート 炭袋 ポケット付き 60cm×90cm
出典:楽天
フィールドアの焚火シートのサイズは60cm×9cm、そのまま広げて焚き火台の下へ敷くことができます。
実は、ポケットが付いているんです。
・・・と言っても、ポケットぐらい付いていそうなんて思われるかもしれませんが、このポケットがかなり優秀なんです。
出典:楽天
このポケットは、炭を入れることができるんです。
ただ煌々と火が付いている炭ではなく、ほぼ鎮火しそうな炭や灰を入れてください。
そう、火消し袋として使用できるという優れものです。
もちろん焚火台シートとしても優秀で、耐熱性、耐久性に優れたグラスファイバー素材を採用。
素材はキャンパスで柔らかく、表面には難燃性を持たせるためつるつるとしたシリコン加工が施されています。
焚き火シートとしてだけではなく、火消し袋としても使えるフィールドアの焚火シートも便利そうで良い感じです。
FIELDOOR 焚き火シート 炭袋 ポケット付き スペック
詳細
本体サイズ : 60×90cm
重量: (約)500g
材質: グラスファイバー(シリコン加工)
耐熱温度: 280℃
LOGOS ロゴス アウトドア 焚き火 たき火台シート
出典:楽天
ロゴスのたき火台シートは、柔らかなナチュラルカラーと80×60cmという適度なサイズ感。
ワイドな形でバーベキューグリルにも使用することができます。
地面に置いた焚き火台の下はもちろんウッドデッキの上や、二つ折りにして卓上グリルの下にも敷けます。
主な素材はファイバーグラスで耐熱温度は500℃。
四隅にはペグで固定可能なハトメがあり、しっかり固定して使用することができます。
サイズ感もほどよく丁度いい感じで、使いやすいです。
ロゴス アウトドア 焚き火 たき火台シート スペック
詳細
サイズ:(約)80×60cm
収納サイズ:(約)15×1.5×20cm
総重量:(約)270g
主素材:ファイバーグラス
耐熱温度:500℃
BUNDOK(バンドック) 焚き火シート BD-498
出典:楽天
バンドックの焚き火シートの素材は、火や熱に強く断熱性が高いカーボンフェルト。
サイズは60×60cmで厚さは4mm。
耐熱温度は700℃まであります。
他の製品よりやや小さめサイズなので、焚き火台は小さなサイズを使用しましょう。
大きなサイズを持て余してしまいがちなソロキャンプにもおすすめです。
BUNDOK(バンドック)焚き火シート スペック
詳細
サイズ:約600×600×4mm
耐熱温度:約700度
材質:カーボンフェルト
まとめ
焚き火のマナーが守られず、利用者のモラルの低下も問題視されている焚き火。
禁止するキャンプ場も増えているので、今一度焚き火のマナーについて考えてみてください。
直火の焚き火とは、薪や炭を直接地面に置いて火を起こす焚き火のこと。
直火の焚き火は地面にいるバクテリアを殺してしまったり、植物や樹木を傷つけてしまうことがあります。
芝生をひいているキャンプ場の場合は、芝生をダメにしてしまうので、直火の焚き火は絶対にやめましょう。
焚き火台を使用していても、なんらかの刺激で焚き火台から薪や炭、火種が地面に落ちてしまうことがありますし、焚き火台から地面への輻射熱でダメージを与えてしまうこともあります。
直火NGで焚き火台を使用するときは、是非焚き火シートや焚き火台シートを使用してみてください。
燃えにくい素材で出来た焚き火シートは、焚き火台から落ちる燃えカスなどを受け止め、輻射熱を伝えにくくする役割を果たします。
焚き火による自然へのダメージを最小限に抑えてくれるので、マナーの一環として準備しておくと良いと思います。
また、燃えカスやゴミがシートの上に落ちるので、後片付けも楽に行えます。
しかし焚き火シートは完全に断熱するわけではないので、火のついた炭や薪をシートの上に放置しないでください。
あくまでも焚き火はキャンプ場の所有者の好意により楽しめることです。
このことを忘れず、ルールを守って正しく焚き火を楽しむようにしましょう。
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