前回は「キャンプで美味しくご飯を炊くには?」をテーマに炊き方やコツなどを説明しましたが、その中で紹介した炊飯袋についてピックアップ。
今回は、新米キャンパーのたぬこさんに、ダイソーの炊飯袋を使ってお米が炊けるのか試してもらいました。
キャンプでお米を炊くことに、ハードルの高さを感じているたぬこさん。
ダイソーの炊飯袋なら、コストが安くて済むし簡単にご飯が炊けるかも・・・?
そのように考えて、挑戦してもらいました。
キャンプで食べるご飯といえば?
キャンプのキッチングッズは便利になりすぎて、最早キャンプで食べられないものはないんじゃないかしら?と言っていいんじゃないかなと思います。
ですが、そこはやはり日本人ですもの。どんな場所でも白いご飯が食べたいんです・・・!
私もそんな立派な「白米党」の一人。
しかもBBQにすら炊き立ての白米を添えたい本格派です。
キャンプでも色々試してみたりはするけれど、キャンプでお米を炊くのって何気に結構めんどくさいんです。クッカーがこげついてしまって後片付けが面倒になったり、時には失敗してしまうこともある。
だからこそより簡単に、自宅の炊飯器により近い美味しい米が食べたい。
そんな中SNSを中心に話題になっているのが、ダイソーで販売されている「ご飯が炊ける炊飯袋」。なにやら誰でも簡単にお米が炊けちゃうとかなり話題になっているこの製品。
今回はこちらのグッズで本当にお米が炊けるのか、実験してみることにしました。
目次
飯盒不要!? 袋とお湯で米が炊ける時代が到来
袋の中にお米と飲料水を入れて炊飯するというグッズは、防災やキャンプ用アイテムとして結構前から実はすでに販売しています。
魔法の米炊き袋 ハイゼックス炊飯袋100枚入
出典:楽天
ハイゼックスの炊飯袋は、研いだお米1合と飲料水を入れて30分湯煎することでお米が炊けるという袋で、防災用の備蓄品として話題にもなりました。
米、水の量のメモリも付いているので、計量カップがなくても安心です。
他社製品では湯煎時間が20分程度と短いものもあります。ですが、こちらの製品は備蓄用とあるだけあって結構まとまった量でしか買えませんし、数枚で買うとなると送料含めて割高になります。
キャンプのたびに使うにしても結構な量届いてしまうので「ちょっと試してみたいな」って好奇心を満たすには若干荷が重すぎる枚数でしか購入できません。
そこで便利なのが我らがダイソーです。
「ご飯が炊ける炊飯袋」はダイソーにて販売開始された便利グッズ。
その名の通り中に入っている袋の中にお米を入れて熱湯を入れた鍋で茹でて蒸らすだけでお米が炊けてしまうという魔法のような神アイテムなんです。
ダイソーの「ご飯が炊ける炊飯袋」については次の項目で詳しくご紹介します。
ダイソーの「ご飯が炊ける炊飯袋」の詳細と売り場について
売り場について
ダイソーの「ご飯が炊ける炊飯袋」は、アウトドアコーナーや防災グッズのコーナーで販売しているようです。
私はアウトドアコーナーで購入することができました。
仕様など詳細
10枚1組で110円の製品です。
素材は不織布でできています。
サイズは約11×15cm。お米を入れやすいようにたっぷりめのマチがついています。
袋の折り返し部分は大体5.5cmくらいでした。
ビニール製の防災用の米炊き袋と違ってメモリはないので計量カップでお米を測る必要がありますし、炊くために必要なお水の量に規定量の記述がないので「なんとなく感覚で」になります。
注意点
袋の裏面にある注意点をここでもおさらいしておきます。
- 袋が溶ける可能性があるので、電子レンジやオーブンレンジでの使用はできません。
- 湯炊き中にお湯が減ってきた場合は水を足すことができます。
- 袋の開口部は強く引っ張らないようにしましょう。破けます。
- 直射日光と高温多湿の場所、火や熱源の近くには置かないようにしましょう。
他の100円ショップで類似品はある?
ダイソー以外の100円ショップを調べてみました。
その結果、Watts、キャンドゥ、セリアでは「お米が炊ける袋」の取り扱いがありました。ですがどのお店も現時点では4枚セット。
1袋あたりの枚数が1番多いのはダイソーということになりました。ちなみにどの袋もダイソー同様メモリはついていません。
取り扱いについてはダイソー含めお店によります。
アウトドアグッズや防災グッズに力を入れている店舗が狙い目ですよ!
「ご飯が炊ける炊飯袋」を使ってみた〜準備〜
用意するものは以下になります。
- ダイソー「ご飯が炊ける炊飯袋」1枚
- アウトドア用鍋&蓋
- 米・・・0.5合
- 水・・・(適量)
「ご飯が炊ける炊飯袋」を探しにダイソーに行ったらこんなものを見つけたのでついでに購入してみました。
こちらダイソーの「COOKER 3PIECE SET(クッカー3点セット)」です。
白米も大好きですが100円ショップも大好きな筆者、見たことない製品だったのでウキウキしながら買ってきてしまったのですが、こちらの製品の初登場は昨年2022年のことだったようですね。
ステンレス製(ステンレス鋼・クロム13%)、鍋の底の厚みは0.4mm、700円で購入した割に結構しっかりした製品でした。
大・小の鍋と蓋にもなるフライパンの3点セットで、大きな鍋の中に全てすっぽりコンパクトに収納することができます。
ただ、取手の部分が歪んで付いていたり、鍋の内側にメモリがなかったりするので、本格的なアウトドアメーカーのグッズに比べるといまひとつ及ばないかなあという点も。
とはいえこれが700円で買えるなら全然いいのでは!?という気がしました。
なお、サイズは以下の通りです。
大サイズ鍋 直径14.5×高さ6.5cm 容量は0.96L
小サイズ鍋 直径12.5×6.5cm 容量は0.7L
蓋兼フライパン 直径15×2.7cm 容量は0.435L
便利な収納バッグはどうせ不織布だろう…なんて思っていたらメッシュ製で意外としっかりしていて驚きました!
「ご飯が炊ける炊飯袋」を使ってみた〜実践と注意点〜
①米を軽量して袋に入れる
いきなりここで間違えました!
てっきり1合炊けるのかと思って、1袋にどさーっと1合入れてしまいました。
明らかに多い米・・・。
違和感を感じる私・・・説明書はきちんと目を通しましょう。
②上部の2重になっている部分をひっくり返して口を閉じる
当然のことながら分量を間違っていたので1合では多すぎてぱつんぱつんになります。
見た目より本当にぱつんぱつんで、触り心地は大きめのお手玉みたいな重量感と存在感がありました。
ダイソーの「ご飯が炊ける炊飯袋」のワンポイントアドバイスには、口を閉じてから流水で揉み洗いするとよいと書いてあるのでやってみたのですが、当然のことながら米がはみ出て来てここでようやく間違いに気づいたんです。
慌てて米を2袋にわけたのですが、袋の端が少し破れてびっくり!
問題なさそうなのでそのまま使用しましたが、水に濡れると袋が少し破れやすくなるのかも。
「環境によっては米を研いでから袋に入れた方がいいんじゃね?」と思いましたが、もし研いでから入れるのであれば袋の口を閉じる時気をつけた方が良さそうです。
③鍋で沸騰させたお湯の中に袋を入れて、蓋をせずに約15〜20分湯炊きする
またしても問題発生!お湯の量と温度がわからない。
「SNSなどを調べ、お湯の量は多い方が良い」との意見が多いように感じたので、鍋いっぱいのお湯を準備し、湯を沸かしました。
ダイソーの鍋(大)には米を沈めて溢れ出ないギリギリで約700mlを入れてみる。
袋がもうひとつできてしまったので、自宅のホーロー鍋で約1200mlのお湯を準備してみました。
お湯の温度も基準も書いてないので、大体鍋全体がぐつぐつと煮立った頃を見計らい、お湯の温度を測ってみました。
大体94℃くらい?
これに米を沈めていきます。
イン!!と同時にスマホでタイマーを20分で開始。
でもまた問題が。火加減がわかりません!!
イラストの雰囲気を頼りに、お湯がぐつぐつした状態を保ちつつお湯を捨てられるだけ残すイメージで、アウトドア用鍋は中火〜弱火の間、ホーロー鍋の方は中火で湯炊きしました。
よくみると「お湯がなくなったら足していいよ」って書いてあるんですよね・・・。
結局全部において正解がわかりません。
これは実験が必要だ・・・ワクワクしてきたぞ・・・!
④時間が来たら加熱を止めてお湯を捨てるか別の容器に袋を移す
湯炊きするうちにどんどんお米が水分を含んで大きく膨らんでいきます。
やばいやばい。これ1合入ってたら破裂してましたね!?
火加減を調節しつつ見守っていたら、時間が来たのでお湯を捨てました。
鍋に残ったお湯の量は大体半分くらいでしょうか?
別の容器に移したらふかふかに膨らんだお米が冷えてしまいそうなので、きっちり湯切りしたあと同じ鍋に戻して蓋を閉めました。
さようなら、20分後にまた会おう。
⑤容器に蓋をして15〜20分蒸らす
アウトドア用のお鍋はステンレス製でちょっと薄い気がしたので、蓋を閉めた後で手近にあったタオルでぐるぐる巻きにして保温してみました。
⑥袋からご飯を取り出して出来上がり!
袋がちょっぴり破れていたアウトドア用のダイソー鍋にはお米がはみ出ていました・・・もったいない。
繰り返しますが、袋は破けないように丁寧に扱いましょう。
「ご飯が炊ける炊飯袋」を使ってみた〜結果〜
さて、出来上がりがこちらです。
袋に入っている状態はこちら。これを破いて中身を確認してみましょう。
まずはホーロー鍋の方から。
きちんと炊けている・・・が!
拡大してみてみると、なんだかべちゃっとした仕上がりになってしまいました。
お湯の量、火加減、湯炊きの時間、蒸らし時間がもろに関係するようです。
次はアウトドア用のダイソー鍋。
こっちの方も少し水分が多めでしたが、ホーローよりは白米を炊いたという仕上がりになりました。
並べてみましょう。
写真でもここまで見た目に差がでます。
食べてみると、ホーローの方はおかゆ一歩手前、ダイソー鍋はかなり柔らかめのご飯といった印象。
味は炊飯器や飯盒レベルとまではいかないまでも、普通のお米レベルには達していると思われます。
でもなんにせよ炊けた。
使い捨ての不織布の袋と鍋と水だけでお米が炊けました!
「ご飯が炊ける炊飯袋」を使ってみた〜考察〜
①お湯の量
私は多ければ多い方が良いというわけではなさそうだと感じてしまいました。
お湯の量が多い時は茹で時間はもう少し短くていいと思います。
②火加減
不織布は熱源の近くでは使用しないで、と書いてあるので、あまりに水がなくなってしまうのはどうかな・・・と思いました。
なので私は弱火〜中火で沸騰したお湯が無くならないように調節しながら湯炊きしましたが、もしかしたらもう少しだけ火加減は強く、湯炊き時間も火加減と米の状態によって短くしたり調整していいのかもしれないです。
慣れて来たら米袋の中の膨らみ具合によって判別できるようになるのかしら・・・?
③米の品種
炊飯器などで炊くよりもさらにお米の味がさっぱりしているように感じました。
おかゆ一歩手前になってしまったホーロー鍋の米を噛み締めたとき、なんかどこかで食べたよな・・・と思い返して、思い出したのは水から生米で炊いたおかゆの味です。
決して不味くはない。あっさりしすぎているが、美味しいと思う。
ただ、キャンプでこれが出来上がったらちょっとな・・・と侘しい気持ちにはなりました。
一方、ダイソー鍋の方は多少柔らかくはあったもののの、問題なく美味しくいただきました。
我が家で食べているお米は「程よい甘みと粘りでバランスの良いお米」として名高い「ななつぼし」という品種なのですが、元々どんなおかずにも合いやすいあっさりとした味わいのこの品種でこの炊き方をすると、お米の味があっさりと仕上がり過ぎてしまうのかもしれないと思いました。
また、米に水を吸わせてから炊こうとしても、湯炊き時間やお湯の量が変わってしまいそう。
なのでこの炊き方には、甘みが強く硬めの品種の無洗米を選ぶとよいのかもしれないし、元々お米の水分量が少ないタイ米なんかもいいのかも!と感じました。
うーん、色々実験してみたくなりますね。
④蒸らし時間
あくまでも個人の感想ですが。
蒸らし時間中冷めてしまうと、普通に炊くより美味しくない気がしました。
なので鍋の素材が冷めやすい場合は今回のようにタオルで巻くなどして蒸らし中の米が冷めない工夫があった方がいいと思います。
また、湯切りの段階できっちりお湯は切っておいた方がいいです。
蒸らしている最中、鍋底に残った水分のせいでもべちゃっとしてしまうことは絶対にあると思う。
せっかくなのでベランピングしてみた!
米好きとしては、ホーローで炊いた方はおかゆにして食べようと決意するような大変納得がいかない結果となりました。
しかしダイソー鍋の方は(柔らか過ぎではありますが)ちゃんと美味しく食べられる仕上がりとなりました。
試食するついでに家にあったレトルトのグリーンカレーを温めて、家のベランダでランチをすることに。
うん、タコハイ合わないけどカレーもお米もおいしい(笑)
カレーと一緒に食べてしまえば、多少の柔らかさは気にならなくなります。
ちなみに私は硬めの米が好みの『3度の飯より白米が好き』な白米党なので、外で試すにはまだまだ試作が必要だと感じていますが、普通にお米が食べたい!って人なら全然使用していいレベルかと。
慣れて来たらキャンプでも使うだろうし、非常用持ち出し袋に常備しておいてもいい良アイテムではないでしょうか?
まとめ
キャンプでお米を食べたいと思った時、昔なら鍋や飯盒炊飯するしかありませんでした。
しかし今ではそのハードルも下がってメスティンを使ってみたり、袋を湯煎して炊いたり、進化したレトルトやアルファ米を活用したりと様々な方法が提案されています。
そんな中登場したのが、ダイソーの「ご飯が炊ける炊飯袋」です。
こちら、0.5合のお米を不織布の袋に入れてぐつぐつ煮立ったお湯で規定の時間湯炊きして、蒸らすだけでお米が炊けてしまうという超便利アイテムで、お米が大好きなキャンパーさんや料理好きで実験好きなキャンパーさんの間で話題になり、災害時への備えとしても最適なアイテムとして今評判なんですよ!
正直なところ商品の説明書がざっくりとしすぎている感もあり、お湯の量や火加減などは好みはお米に合わせて細かく調整する必要はありそうですが、書いてある通りに試してみたところ普通にお米が炊けました。
お米の袋は破って捨てるだけなので後片付けも超簡単。
お米好きを自負するキャンパーさん、料理にちょっとした楽しみを求めるキャンパーさんには是非是非お試しいただきたいアイテムでもあります。
お近くのダイソーで見かけたら試してみてくださいね!